Splunk Japanでは、2024年2月より新しい事業年度が始まりました。2023年、お客様のデジタルレジリエンスの構築支援に注力し、コミットを拡大するエキサイティングな1年を過ごすことができました。2024年も引き続き、お客様のビジネスに貢献できるようにスタッフ全員で邁進してまいります。本ブログでは、2023年の活動の振り返りと2024年の展望をご紹介するとともに、1月に発行した「2024年の予測」から注目していただきたい予測について解説します。
2023年を振り返ると、特に、ガートナー社のマジッククアドラントにおいて、セキュリティ(SIEM)の分野とアプリケーション性能管理(APM)およびオブザーバビリティの両方の分野でリーダーに位置づけられたことが、Splunkにとって大きな出来事でした。Splunkは、この2つの分野でリーダーとなった唯一の企業となりました。一昨年には、世界的な3つの調査会社からSIEMとセキュリティアナリティクスのリーダーに認定されています。このことは、Splunkが業界最高水準のソリューションを提供するという、お客様への継続的なコミットメントを裏付けるものです。
2023年7月にはMicrosoftとの戦略的パートナーシップを発表し、Microsoft Azure上でSplunkのエンタープライズグレードのセキュリティとオブザーバビリティを構築できる環境を整えました。また、Microsoft Azureを活用したSplunkクラウドソリューションの展開を共同推進することで、製品の差別化に取り組みます。さらに、新たな製品を共同開発するほか、Splunkのソリューションが「Microsoft Azure Marketplace」で提供できるようになりました。
Splunkでは、引き続きハイブリッド環境をサポートしており、Public Cloud上で提供されるSaaS型の「Splunk Cloud」と、オンプレミス環境に導入する「Splunk Enterprise」の両方を提供することで、引き続きお客様に最適な選択肢をご用意しています。また、データの調査・分析能力を高めつつ、増え続けるデータの蓄積とコストを最適化するために、Edge ProcessorとFederated Search機能を提供しています。Edge Processorは、Splunkにデータを保存する前にデータを前処理する機能を実現し、Federated Searchは、複数のSplunk環境やAmazon S3バケットに保存されたデータを透過的に分析する機能を提供します。これによって、お客様は、より最適なコストで、データを保管、分析できるようになります。
また、AI(人工知能)の活用にも注力しており、従来から、オブザーバビリティやAPM、セキュリティにおいてAIやマシンラーニングと連携するテクノロジーを数多くご提供しています。2023年には、新たに生成AIを活用してインシデントの防止や迅速な対応、そしてお客様の変革を加速する支援ツール「Splunk AI Assistant」など複数のAI製品を発表しました。
2023年は、「.conf Go Tokyo」や「Splunk Experience Day」などのイベントを通して、多くのお客様、またビジネスリーダーの方々とお会いすることができました。イベントでは、Splunk製品を導入いただいているお客様からデジタルレジリエンス向上のヒントになる施策を数多く語っていただきました。今年実施するイベントにも、是非ご注目ください。
2024年は本格的なAI時代に突入し、エキサイティングかつチャレンジングな世界になっていくでしょう。そのため、私たちは日本企業のAI導入を支援し、お客様の成功の支援に注力していきます。
また、日本市場への継続的な投資、リソースの拡充を行うとともに、パートナーとの協業関係をさらに強化していきます。
製品リリースで注目していただきたいのは、2024年春に日本でリリース予定の「Edge Hub」です。工場やプラント、小売店、あるいは局舎などには多くのOT環境、IoT機器があります。これらの重要性は増す一方で、リスクも大きくなっています。Edge Hubは、OTで広く利用されている業界標準のプロトコルに対応しており、複雑なデータフローを集約して処理することができます。また、Edge Hubの本体にも温度・湿度・気圧など多様な環境情報を収集する内部センサーが搭載されています。USBカメラの接続も可能ですので、多彩なユースケースに対応し、データをビジネスに活かすことができます。
Splunkは、AI時代のセキュリティとオブザーバビリティを牽引し、お客様のデジタルレジリエンス向上を支援してまいります。
Splunkは1月に「2024年の予測」レポートを公開しました。今回のレポートでは、AIが今後1年でどのようにビジネスレジリエンスの形成に活用できるかを考察しており、企業が新たなAI時代に備えるために知っておくべきトレンドを「エグゼクティブ」「セキュリティ」「オブザーバビリティ」の3つの観点からまとめています。ここでは、エグゼクティブ編のサマリーをご紹介します。
エグゼクティブ編では「AIと規制が注目を集める」とされています。「AIが提供するインサイトや、AIを活用した自動化や業務支援ツールによってビジネスの効率が向上し、従業員が定型業務から解放されて価値の創造やイノベーションに集中できるようになる日がいつかはやってくるでしょう」と述べられています。
自動化は、ビジネスの生産性を向上させる重要な促進要因であるため、AI開発の最優先課題になるでしょう。また、AIの真の付加価値はプロアクティブなセキュリティの実現にあると考えられます。2024年は、組織をサイバー攻撃から守る点においてAIが大きな潜在能力を示す年になると考えられています。
ただし、品質には注意が必要です、生成AIではモデルの精度が100%になることはないですし、ハルシネーション(幻覚:AIが事実に基づかない情報を生成する現象)も不安材料です。このため、AIの活用においては常に人間が介在すること(HITL:Human in the loop)の重要性が高まります。現在は初期段階とはいえ、AIに関する知識やスキルを今のうちに磨いておくことが重要といえます。
レポートではまた、「世界中の政府が障害対応に関する規制を強化し、レジリエンスの構築が不可欠になる」としています。実際に、新たな脅威が次々に登場し、デジタルシステムの障害が社会経済に大きな影響を及ぼすようになっています。規制当局もこれを受けて、企業がどのように有害事象に備え、その発生時に事業を継続すべきかを定めた強力なコンプライアンスフレームワークと厳しいガバナンスを制定し始めています。
今後、どのような法規制が登場するにしても、レジリエンスに関する戦略と能力を効果的に評価する方法を確立する必要があります。何かを改善したいのなら、まず可視化し、分析、アクションまで取る必要があるということです。
レポートでは同様に、「AIの爆発的な普及を受けて、データプライバシー規制が加速する」と書かれています。AIにはデータが必要不可欠であり、世界中の政府は企業がデータプライバシーに関する義務を果たすように、積極的に動き始めています。AI導入が進む中で、ビジネスリーダーやテクノロジーリーダーは、どのようなデータが収集され、どのように利用されるのかを把握することが必要不可欠です。
AIがあまりに急速に普及しているため、現在は各国・地域が新たな規制強化に動き出している状況です。2024年は、AIの利用範囲の拡大が急速に進むと予測され、さらなる規制が加わることによる混乱が顕著に現れるでしょう。ユーザーのデータを守るには、政府とテクノロジー企業が手を携えて取り組む必要があります。
「2024年の予測」は、エグゼクティブ編のほか、セキュリティ編、オブザーバビリティ編のレポートもリリースしています。日本語版はSplunkのサイトからダウンロードできますので、興味のある方はぜひご覧ください。
Splunkプラットフォームは、データを行動へとつなげる際に立ちはだかる障壁を取り除いて、オブザーバビリティチーム、IT運用チーム、セキュリティチームの能力を引き出し、組織のセキュリティ、レジリエンス(回復力)、イノベーションを強化します。
Splunkは、2003年に設立され、世界の21の地域で事業を展開し、7,500人以上の従業員が働くグローバル企業です。取得した特許数は1,020を超え、あらゆる環境間でデータを共有できるオープンで拡張性の高いプラットフォームを提供しています。Splunkプラットフォームを使用すれば、組織内のすべてのサービス間通信やビジネスプロセスをエンドツーエンドで可視化し、コンテキストに基づいて状況を把握できます。Splunkなら、強力なデータ基盤の構築が可能です。