Splunkは5月30日、シスコによる買収後はじめてとなる年次のプライベートイベント「Splunk Experience Day 2024」を都内・ホテル雅叙園東京において開催しました。参加人数は、昨年を上回る約600名の皆様にご来場頂きました。本レポートでは、午前のセッションを抜粋してご紹介いたします。
2024年3月:シスコ、Splunkを買収完了、Splunkはシスコの一事業部門として独立。さらに買収から90日経たない間にシスコのAppDynamicsチームは、Splunk事業に加わり、SplunkとAppDynamicsでのみ提供できる新しい価値を目指して動き出しています。また、5月15日のシスコのQ3決算発表のタイミングで、Gary Steele(元Splunk CEO)がシスコのGo-to-Market担当プレジデント 兼 Splunk, GMに就任しました。今後提供される予定のAppDynamicsとSplunk Observabilityソリューションが融合したフルスタックオブザーバビリティ、さらにパワーアップされるSplunkだけが提供できるデジタルレジリエンス基盤に期待していただければと思います。オンプレミス、マルチクラウド、ハイブリッドなどあらゆる環境を包括的に可視化し、AIと自動化のパワーで運用やセキュリティチームのイノベーションを加速させ、未来志向のデジタルレジリエンスを支える真のセキュリティとオブザーバビリティの統合プラットフォームの提供に力を入れていきます。
デジタルトランスフォーメーションが加速し、様々な業務やサービスがデジタル環境の上に構築されています。システム環境は常に変化し、複雑化しています。その中で、予期せぬシステムダウンや業務サービスの中断や停止がいつ起きてもおかしくありません。原因究明、分析、対応などに時間を要してシステム復旧に多くの時間を費やし、社会や企業に大きな影響を及ぼした場合、信用失墜、機会損失へとつながってしまいます。サイバーリスクもビジネス被害に直結します。米国証券取引委員会(SEC)によるサイバーセキュリティ開示規則をはじめ、EU地域、国ごとなど、異なるルールに対応する必要がありますが、一方で、企業や組織はイノベーションのスピードを落とすことはできません。
デジタル環境の安全性、レジリエンスを高め、デジタルトランスフォーメーションを実現したい一方で、システム環境は複雑化し、データは肥大化し、よりリアルタイムでのリスク評価が求められています。ただ、人手は足りていません。何か問題が起きたときに、セキュリティのチームが対応するのか、IT運用のチームが対応するのか、または開発チームが対応するのか、切り分けが難しい時も多々あると思います。ツールや組織のサイロ化を回避し、社内人材への投資と外部リソースの活用、そしてそれを実現するための優先順位を決めるための確固たるリーダーシップが重要になると考えています。
肥大化するデータですが、一方で、原因調査や、予兆などのために使うデータは、セキュリティ運用、IT運用、そして開発で利用する場合、重複することがとても多いです。我々のお客様の調査では、なんと85%のデータが重複しているという結果を得ました。SplunkはAWS、GCP、Azureなど、マルチなクラウド環境はもちろん、オンプレミスの環境もサポートします。そして、SIEMでは10年連続でリーダーを取得するなどの長年にわたる豊富な経験、さらにAI技術の活用も積極的に行い、お客様のデジタル環境を素早く回復し、高いレジリエンス、MTTRなどの短縮を実現するための機能を提供しています。最後に、Splunkは、最新のGartner® Magic Quadrant™の「SIEM」部門および、「APM、オブザーバビリティ」部門のリーダーに選出された唯一のベンダーです。これからも安心して、皆様にSplunkのプラットフォームをご活用いただければと思います。
昨年夏、Microsoft社との戦略的パートナーシップを発表しました。そして、いよいよMicrosoft Azure上でのSplunkクラウドソリューションの提供が開始される予定です。次に、工場などのOTセキュリティ、エッジでのAI分析などを可能にする “Splunk®︎ Edge Hub” がマクニカ社より日本市場で初の取扱い開始となりました。当日は、マクニカ社の展示ブースに設置されたSplunk®︎ Edge Hubのリアルデモなどが大盛況でした。そして、ISMAPに関しては、Splunk®︎ Cloudについては申請が完了済み、現在、審査待ちの状況となります。併せて、Splunk®︎ Observability Cloudについても審査の準備を開始致します。公共機関様にも安心してSplunkソリューションをご利用頂けるよう準備を進めて参ります。このように、Splunkは日本市場への投資を継続、拡大していきます。
SplunkのVP Field CTOのJohnathon ‘JC’ Cervelliからのキーノートセッションでは、よりよい成果を上げるにはやはりデータが重要であり、お客様のレジリエンスを高める仕組み作りには、データ中心のアプローチを大規模に展開する必要性について紹介しました。企業のインフラはシンプルではなく、古い世代、複数世代など様々なスタック化されたインフラが数多く存在していて、それぞれにツールやソリューションが最適化されていたり、複数システムを跨ぐなど依存関係が多く存在しています。Splunkの製品ビジョンは、企業のデジタルフットプリント全体を可視化してインサイトをもたらし、セキュリティ、信頼性、イノベーションスピードの向上につながるアクションを強化することです。
そして、中長期戦略としては、以下の図の通り今までのSplunkの戦略を踏襲しつつさらに強化していく予定です。
また、より強力な検知のためのセキュリティ向けアシスタント、より短期間で調査を行うSplunk®︎ Observability Cloud向けAIアシスタント、より迅速に対応するためのITSI向けAIアシスタントなどの詳細を、6月11日から開催した.conf24で発表しました。
シスコと統合してもSplunkが目指すゴールに変わりはありません。
今後も統合されたセキュリティとオブザーバビリティによってお客様のデジタルレジリエンス構築の支援を全力でサポートします。シスコとの統合により、デジタルフットプリント全体にわたりお客様がレジリエンスをさらに強化できるよう継続支援いたします。
講演会場の外では特別設置された、Splunkが技術提供するF1チーム「McLaren Racing」のシミュレーションマシンによるタイムアタックコーナーに多くの参加者の皆様に立ち寄って頂きました。最速ラップを叩き出した上位3名の方には、ネットワーキングレセプション会場にて、McLaren Racingの豪華な賞品と共に発表いたしました。
イベント当日は天候にも恵まれ、午前のセッションから多くのお客様に会場にお越しいただきました。また午後のスポンサーセッションでは5社のお客様よりセキュリティとオブザーバビリティに関する事例セッションを開催し、多くの皆様にご参加いただいたこと、改めてお礼申し上げます。今後も皆様のご期待に沿えるよう、社員一丸となって邁進してまいります。
Splunkプラットフォームは、データを行動へとつなげる際に立ちはだかる障壁を取り除いて、オブザーバビリティチーム、IT運用チーム、セキュリティチームの能力を引き出し、組織のセキュリティ、レジリエンス(回復力)、イノベーションを強化します。
Splunkは、2003年に設立され、世界の21の地域で事業を展開し、7,500人以上の従業員が働くグローバル企業です。取得した特許数は1,020を超え、あらゆる環境間でデータを共有できるオープンで拡張性の高いプラットフォームを提供しています。Splunkプラットフォームを使用すれば、組織内のすべてのサービス間通信やビジネスプロセスをエンドツーエンドで可視化し、コンテキストに基づいて状況を把握できます。Splunkなら、強力なデータ基盤の構築が可能です。