IT監視は、IT機器がネットワーク上にオンラインであるかどうか、期待されるサービスレベルで動作しているかどうかをアナリストが判断しながら、検出された問題を解決できるように設計されたさまざまな製品で構成されています。IT (ネットワーク)監視ツールには、基本的なチェックツールから、製品のパフォーマンスを詳しく調べたり、さらには問題が疑われる場合に修復を自動的に実行したりできる高度なツールまで、さまざまな種類があります。
IT (ネットワーク)監視ツールとWebサーバーを併用すれば、CPU使用率やRAM使用率の傾向を分析し、ハードドライブ容量が不足しているかどうかや過去1年間にシステムがクラッシュした頻度を判断できます。
ネットワーク監視やアプリケーション監視などのIT監視は、IT環境の複雑さに対応するために、2010年以降飛躍的に進化しています。注目すべきは、IT監視ツールでオンプレミスとクラウドベースのシステムの両方を監視できるようになったことです。また、何百もの種類の監視製品や監視ツールが市販されており、それぞれが複雑さやアプローチという点で大きく異なります。そのため、ある企業にとっては最適なIT監視ツールや監視ソフトウェアが、別の企業には適さないということもあります。
IT監視に固有の概念には、IT運用管理(ITOM)、セキュリティ情報/イベント管理(SIEM)、セキュリティのオーケストレーションと自動化によるレスポンス(SOAR)、オペレーショナルインテリジェンス(OI)などの他の分野と大きく重なる部分があります。
この記事では、IT監視の基本的な種類やツールの種類、IT監視が管理やネットワークパフォーマンス、DevOps、自動化と連携してどのように機能するのか、さらには効果的なIT監視戦略の選び方をご紹介します。
IT監視の基本的な種類には、可用性監視、Webパフォーマンス監視、Webアプリケーション管理やアプリケーションパフォーマンス管理、API管理、リアルユーザー監視、セキュリティ監視、ビジネスアクティビティ監視、ネットワーク監視などがあります。
さまざまな種類のIT監視ツールを網羅した標準的なリストは存在せず、また多くの用語に複数の種類の監視が含まれていることから、この市場を定義する境界が曖昧になっています。ここでは、IT監視を構成する一般的な種類のツールを取り上げます。
これらのIT監視ツールはすべてオンプレミスの機器やアプリケーションを監視することができ、クラウドベースのシステムと組み合わせて使用することも、その両方を行うこともできます。
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セキュリティIT監視はネットワーク内の脅威や疑わしいアクティビティの監視に使用される。
ITインフラストラクチャの監視ツールは、その使用方法に基づいて、監視、分析、エンゲージメントという3つの大きなカテゴリまたはネットワークデバイスに分類できます。
IT監視ツールは情報を提供し、管理者はその情報に基づいて行動できます。IT監視は管理の一部であり、戦術的な意思決定やビジネス上の意思決定に活用できるパフォーマンス情報を収集して提供します。
IT監視ツールによってもたらされる情報を利用することで、ビジネスマネージャーはITインフラストラクチャが売上や収益に与える影響をさらに深く掘り下げることができます。インフラストラクチャのダウンタイムが0.11%であるとすれば、1週間に11分間システムを利用できないことを意味します。ビジネスが最も活発な時間帯にシステムが11分間支払いを処理できなければ、多額の損失が生じる可能性があります。これを、ダウンタイムを回避するためにサーバーのメモリーカードを交換するコストや、ネットワークをアップグレードするコストと比較して考える必要があります。あるいは、この問題を解決するために対処すべきプロセス上の問題があるかについても検討する必要があります。ダウンタイムが増加している場合、経験豊富なマネージャーなら、より大きな問題が差し迫っていることを推測し、IT監視データを利用して既存のハードウェアを交換またはアップグレードする必要があることを主張できます。
DevOpsの領域ではIT監視がますます重要な役割を果たすようになっています。その主な理由は、特に開発と運用においてDevOpsが複数のチームでコラボレーションするという概念を軸としているためです。しかし、セキュリティチームやQA/テストチームなどの他の部門がこのコラボレーションに加わることで、企業はますます大きなメリットを見いだせるようになりました。これらのすべてのグループが団結したチームとして連携してはじめて、ソフトウェアやサービス製品のリリースを成功させることができます。
IT監視は本来この概念を補うものであり、特にクラウドベースサービスや企業のAPIに依存するアプリケーションなど、高い可用性を必要とする製品に適しています。これらのサービスのパフォーマンスが低下したり、完全にクラッシュしたりすれば、顧客満足度や、ひいては収益がゼロになる可能性があります。そのため、重要なシステムの運用性と応答性を維持し、これらのパフォーマンス測定を開発プロセスに最初から直接組み込んでおくことがDevOpsチームにとって不可欠です。
DevOpsとIT監視のもう1つの共通部分は、製品の更新ペースが加速している点に関係しており、実際、アプリケーションが1日に何度も更新されることがあります。このような環境では開発のスピードが極めて速く、多くの場合は更新がリリースされる前の品質保証に最小限の時間しか与えられないため、監視は不可欠です。場合によっては、発見されなかったバグが本番環境に持ち込まれてしまい、重要なシステムが許容できないパフォーマンス低下やクラッシュを起こすこともあります。強力なリアルタイムのIT監視ソリューションがあれば、これらのエラーを迅速に(多くの場合数秒以内に)検出でき、DevOpsチームが問題を即座に解決したりコードを更新前の動作状態に戻したりして、ダウンタイムを最小限に抑えることができます。
つまり、DevOpsの世界では、IT監視も将来を予測するものになっています。DevOps監視システムを使用すれば、開発者が自分の仕事に使用しているツールそのものを監視したり、マネージャーが非効率的な領域や自動化の恩恵を受けられる可能性のある領域を特定したりすることができます。
DevOpsでは複数チームのコラボレーションが必要であるため、IT監視が重要な要素となる。
DevOpsの取り組みを進める上でどのようなベストプラクティスを実践するべきかは「DevOps 5つのプラクティス」をご覧ください。
IT監視は、主にエンゲージメントツールを使用した自動化に関与します。前述のとおり、自動化はサービスチケットの発行やアラートの通知などを自動で実行することもあれば、監視ツールによって検出された問題を人間の介入なしで修復する複雑な一連のアクションを実行することもできます。
インフラストラクチャが複雑になるほど、自動化の必要性も高まります。規模がそれほど大きくない企業でさえ、人間が管理するには多すぎるほどの要素があり、クラウドとオンプレミスを組み合わせたハイブリッドシステムではなおさら複雑になります。
自動化を組み込んだIT監視ツールは、これらのすべてをシンプルにすることができます。顧客のアクティビティが急増したことでサーバーの応答が遅くなった場合、IT監視ツールはこの問題をCPUの過負荷と診断し、別のサーバー(物理または仮想)に処理を引き継ぐように自動で指示できます。その後、ネットワークトラフィックが減少すれば、2台目のサーバーをスピンダウンするという判断ができます。また、このツールにはアップグレードが妥当かどうかを管理者が判断できるよう、インシデントに関する根本原因レポートを作成するという機能もあります。
IT監視ツールはアナリストによってさまざまな方法で利用されており、厳密にどのように利用すべきかを示す標準的なガイダンスは存在しません。大まかに言うと、アナリストはIT監視ツールの以下のような数多くの重要な機能を実行しています。
IT監視ツールはアナリストによってさまざまな方法で利用されている。
独自のIT監視戦略を開始する準備が整ったら、以下の手順に従って導入を開始します。
IT監視戦略方法をより深く知りたい方は「インフラ監視:予測と防止の基本戦略」をご覧ください。
IT監視ツールをどのように使用するかはどのツールを選ぶのかと同じくらい重要です。考慮すべきいくつかの信頼できるベストプラクティスとして、アラートをよく理解すること、アラートのレベルと伝達手段を考慮すること、ダッシュボードを改良すること、エスカレーション計画を策定すること、冗長性を取り入れること、異常値を監視することなどがあります。
IT監視は、サーバーがクラッシュしたときに技術者に通知するだけではありません。これらの問題をあらかじめインテリジェントに予測し、さらにユーザーが実際に影響を受ける前に修復するよう対応を自動化することも重要です。
ITインフラストラクチャが複雑さを増すにつれ、それに対応できるシステムを導入することはITマネージャーにとって不可欠です。IT監視をエコシステム全体に正式に統合することで、シンプルなサービスの可用性からビジネスの高いパフォーマンスや全体的な収益性の確保まで、さまざまな指標に沿って業務を劇的に改善できます。
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日本支社を2012年2月に開設し、東京の丸の内・大手町、大阪および名古屋にオフィスを構えており、すでに多くの日本企業にもご利用いただいています。
© 2005 - 2024 Splunk LLC 無断複写・転載を禁じます。
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