先進的なサイバーセキュリティ対策を推進する組織がどのように課題を克服し、AIを活用してイノベーションを推進し、デジタルレジリエンスを強化しているかをご紹介します。
Splunkのおかげで、アプリケーションの全体像を把握し、どのサービスが連携しているかがすぐにわかるようになりました。今ではチーム全員が全体の仕組みを理解しています
Splunkの導入前は、キャンパス管理アプリケーションで問題が発生すると解決に何時間もかかり、そのたびにユーザーは待たされることになりました。このアプリケーションを利用できないと、履修登録からキャンパス内の移動まで、大学生活のほぼあらゆる活動に影響が及びました。
アプリケーションの主要コンポーネントすべてを可視化したことで、問題を未然に検出し、すばやく解決できるようになり、学生と教職員のユーザーエクスペリエンスが向上しました。
1889年に設立されたフリブール大学には、スイス国内はもちろん世界中から学生や研究者が集まります。学士課程、修士課程、博士課程の1万人以上の学生が、800人を超える教授、講師、研究助手から一流の指導を受けています。
キャンパスはスイス・フリブールの町全体に広がり、学生と教職員はキャンパス管理アプリケーションを通じてつながっています。このソフトウェアには、学食のメニューチェック、キャンパス内のインタラクティブな地図、テニスコートの予約、成績の確認、大学生活の管理など、学生が日々使用するアプリケーションが統合されています。キャンパス管理アプリケーションで問題が起こると、学生と教職員の両方の活動に支障が生じます。学生が必要なタイミングで講義や試験に登録できないと、その影響は学期全体に及びかねません。こうした事態を防ぐため、大学のITチームと開発チームは、アプリケーションの可視性を向上させて、問題を迅速に解決できるようにする必要がありました。これにより、アプリケーションのエクスペリエンスだけでなく、キャンパスライフ全体の質の向上を目指しました。
キャンパス管理アプリケーションは、モバイルとWebのどちらからも利用でき、キャンパス内のほぼあらゆる活動を支えています。「このソフトウェアには幅広い機能が集約されています」と、フリブール大学でプログラムアナリストを務めるDylan Montandon氏は言います。同氏は、15人の学内スタッフとともに、約100の異なるコンポーネントで構成されるこのアプリケーションの開発と運用を担っています。
試験の予約など、一見単純なタスクでも、内部では10のサービスが連携し、相互に通信しています。「仕組みは複雑です」とMontandon氏は説明します。「さまざまなサービスが広く連携しているため、問題が発生したときに根本原因を見つけるのは極めて困難です」。静的ログを詳細に調査して問題を修正する方法では、手間と時間がかかるうえ、必ずしも問題の原因を究明できるとは限りませんでした。そこで、SplunkのパートナーであるDigital Architects Zurich社に協力を求め、アプリケーションスタックをインストルメント(計装)して、各アプリケーションを切り分けられるように構成しました。
フリブール大学ではすでにSplunk Enterpriseを使って環境内を可視化していましたが、アプリケーションパフォーマンスの可視性をもっと高めたいと考えていました。「ユーザーに問題を報告してもらうのは、私たちが目指すやり方ではありません」とMontandon氏は言います。「何かが起こってからでは遅すぎます。もっとプロアクティブに対処する必要があります」
Montandon氏が率いるチームは、Splunkを活用することで、ユーザーに影響が及ぶ前にパフォーマンスの問題を解決できるようにしました。アプリケーション内のいずれかのサービスで障害が発生すると、Splunk Application Performance Monitoring (APM)で詳細が提供されるため、開発者は、以前は数時間かかっていたエラー修正を数分で行えるようになり、生産性が向上して、他の重要業務に多くの時間を費やせるようになりました。「[Splunk] Observabilityのおかげで、アプリケーション間の処理を可視化し、問題の発生箇所をピンポイントですばやく特定できます」とMontandon氏は評価します。「それこそが問題解決の鍵です」
開発チームは、パフォーマンスの問題解決だけでなく、アプリケーションで使用するデータベース内のコードの改善にもSplunkプラットフォームを活用しています。「私たちはシステム管理者ではなく、開発者です」とMontandon氏は言います。「以前は、データベースに対する重要なリクエストを可視化するのが困難でしたが、今日ではリクエストのコードを改善してボトルネックを軽減できるようになりました」
さらに、これまでは、新しい開発者、アーキテクト、コンサルタントが、アプリケーションと他のサービスがどのように連携しているかを理解するのに手間取っていましたが、Splunkのおかげで簡単に理解できるようになり、コラボレーションが促進されました。「アプリケーションの全体像を把握し、どのサービスが連携しているかがすぐにわかるようになりました」とMontandon氏は言います。「今ではチームの全員が全体の仕組みを理解しています」
フリブール大学にとっての次の大きなステップは、アラートとセルフサービス機能を組み合わせて、他のIT担当者がパフォーマンスをプロアクティブにチェックし、問題を解決できるようにすることです。また、Splunkを活用して、部門間のコラボレーションも強化する計画です。特に、インフラチームは、大学のIT環境を支えるハードウェアを一元的に監視したいと考えています。今後は、Splunkのすべての機能を単一のツールで管理できるようにする予定です。「目標は、すべての機能を1つのアプリケーションにまとめることです」と、Montandon氏は将来を見据えます。