2024年セキュリティの現状:競争が激化するAIの活用
先進的なサイバーセキュリティ対策を推進する組織がどのように課題を克服し、AIを活用してイノベーションを推進し、デジタルレジリエンスを強化しているかをご確認ください。
データセキュリティがかつてないほど重要になっています。2022年だけでも、世界中で1,700を超える組織がデータ侵害の影響を受けました。機密情報の保存や処理をテクノロジーに大きく依存する中、データ漏えいのリスクは高まり続けています。
そのため、どの組織のセキュリティ計画においてもデータセキュリティが最優先事項となっています。
このブログ記事では、データセキュリティの定義、一般的な脅威、そしてソリューションについて解説し、データセキュリティ戦略の実施方法を紹介します。
それでは詳しく説明していきます。
データセキュリティとは、デジタル情報を不正アクセス、損失、改ざんから保護し、組織のデータの機密性、完全性、可用性を確保する手法のことです。
データセキュリティとサイバーセキュリティは似たような言葉ですが、実際には異なる概念です。データセキュリティが非公開データの保護に関連した取り組みであるのに対し、サイバーセキュリティは悪質な攻撃からデジタルサービスやデバイスを保護するための活動です。
データ盗難のリスクの高まりに対抗するには、データセキュリティの戦略とプラットフォームに投資する必要があります。適切なデータセキュリティポリシーを確立することで、機密データを特定し、データベースを保護し、価値ある資産を潜在的な侵害から守ることができます。
データセキュリティは、企業がデータ、知的財産、顧客の個人情報など、機密性の高い資産を保護するために欠かせない取り組みです。機密データの保護を最優先にすることで、次のような事態を回避できます。
データ漏えいが発生すれば、個人情報(PII)が流出し、個人がなりすましなどの被害に遭うリスクにさらされます。最近では、Shopify社やTwitter社など、さまざまな企業でリモートワークが普及していますが、リモートワークのプロセスはデータセキュリティをさらに複雑にしています。
ユーザーが個人所有のデバイスや安全性の低いネットワークを使用してデータにアクセスする状況では、適切なデータアクセス管理を通じて、不正アクセスを阻止しながらデータセキュリティを維持することが不可欠です。各組織は、機密情報の保護を最優先事項に位置付け、強力なデータセキュリティ戦略を実行することで、潜在的な侵害や人的ミスから重要なデータを保護する必要があります。
組織は、内部脅威、フィッシング攻撃、ランサムウェアなど、データセキュリティ上のさまざまな脅威や課題に直面しています。このような脅威への対処を怠れば、深刻な事態を招き、組織のデータが危険にさらされる可能性があります。
では、これらの一般的な課題について詳しく見てみましょう。
内部脅威は、偶発的であれ意図的であれ、データセキュリティに重大なリスクをもたらすものであり、機密情報へのアクセスが許可された従業員などの個人によって引き起こされる可能性があります。この脅威は、次の3つのタイプに分類できます。
意図的な内部脅威は、現従業員や元従業員、サードパーティのパートナー、請負業者などが個人的な利益や不満のために、正規のアクセス権を利用して機密データを改ざんしたり盗み出したりすることで発生する可能性があります。
一方、意図しない内部脅威は、フィッシングメールのリンクをうっかりクリックしたことで発生する場合が多く、ユーザーの認証情報が漏えいしたり、ランサムウェアなどのマルウェアが企業のシステムに仕込まれたりする可能性があります。
次のような対策を実施することで、内部脅威を軽減できます。
フィッシング攻撃とは、信頼できる情報源を装ったメールやメッセージで個人をだまし、機密情報やアカウントへのアクセス権を提供させようとする悪意のある試みです。
このようなソーシャルエンジニアリング攻撃は、被害者をだまして機密情報を提供させたり、悪質なリンクをクリックさせたりすることを狙ったものであり、ユーザー認証情報が奪われたり、ランサムウェアなどのマルウェアが企業のシステムに仕込まれたりする可能性があります。メール経由でもたらされるセキュリティ脅威を検出および防止するには、メールセキュリティツールが不可欠です。
強力なメールセキュリティソリューションを導入すれば、次のことが可能になります。
フィッシング攻撃から組織を保護するには、次のような措置を講じます。
ランサムウェアはよく見られる悪質なソフトウェアの一種で、企業のデバイスに侵入して機密データを暗号化し、復号化キーなしにはそのデータにアクセスできないようにします。ランサムウェア攻撃を受けると、データの損失や身代金の支払いなど、深刻な影響を受ける可能性があります。
ランサムウェアに対抗するには、暗号化、データのマスキング、アクセス管理といったデータセキュリティ対策を講じます。このようなセキュリティ手法は、機密情報を不正アクセスや侵害から保護し、ランサムウェア攻撃のリスクやその潜在的な影響を軽減するのに役立ちます。さらに、データを定期的にバックアップし、明確なディザスタリカバリ計画を策定しておけば、ランサムウェア攻撃を受けた場合のデータの復元に役立ちます。
機密データを不正アクセスや侵害から効果的に保護するには、必要なデータセキュリティ手法とソリューションを組み合わせて導入する必要があります。以下のセクションでは、包括的なデータセキュリティ戦略の重要な要素である暗号化、データのマスキング、アクセス管理について説明します。
暗号化は、判読可能なデータを判読不能なエンコードされた形に変換することであり、不正アクセスを防止してデータの機密性を確保します。データの暗号化とは、データをプレーンテキストから判読不能な暗号テキストに変換するプロセスを指します。
この安全なエンコードにより、機密情報を不正アクセスから保護できます。暗号化は通常、対称暗号化方式または非対称暗号化方式を使用して行われ、さまざまなレベルのセキュリティとパフォーマンスを提供します。データを暗号化する目的は次のとおりです。
暗号化により、たとえデータが傍受されたり漏えいしたりしても、権限のないユーザーにとって、そのデータは判読不能な無用の長物となります。ただし、暗号化の効果を最大限に高めるには、次の条件に従う必要があります。
このような対策によってデータセキュリティを強化すれば、サイバー犯罪者は暗号化されたデータにアクセスすることがさらに困難になります。
データのマスキングとは、機密データを架空の情報に置き換えたりスクランブルしたりすることで、元のデータを公開することなく安全に使用できるようにする手法です。データの匿名化とも呼ばれています。このアプローチが特に役立つのは、ソフトウェアのテストやデータ分析などの目的で、データを共有したりデータへのアクセスを許可したりする必要がある場合です。データマスキング手法には以下をはじめ、さまざまなものがあります。
それぞれの手法に強みと限界がありますが、どの手法も機密データへの不正アクセスを阻止しながらユーザビリティを維持することを主な目標としています。
包括的なデータセキュリティ戦略の一環としてデータマスキングを実施することで、ビジネスプロセスを妨げたりデータの整合性を損なったりすることなく、機密情報を保護できます。
アクセス管理とは、機密データ、システム、ネットワークへのユーザーアクセスを制御および監視し、許可された個人だけが特定の情報にアクセスできるようにすることです。許可された人だけにアクセス権を付与できるため、このプロセスはあらゆるデータセキュリティ戦略の要となります。
効果的なアクセス管理では、認証や承認などのアクセス制御を実装することで、事前定義されたルールに基づいてユーザーの身元を確認し、アクセス権を付与します。
また、特権アクセス管理(PAM)やアイデンティティ/アクセス管理(IAM)などのテクノロジーを利用すると、ユーザーIDの管理、アクセスの監視、セキュリティポリシーの適用が可能になります。これにより、機密データに不正アクセスされるリスクを最小限に抑え、データ漏えいの可能性を減らし、データセキュリティ規制を確実に遵守することができます。
さらに、アクセス制御を定期的に見直し、更新するとともに、従業員のセキュリティトレーニングを継続することで、アクセス管理戦略をさらに強化できます。
強力なデータセキュリティ対策を実施する上で、万能のアプローチはありません。機密情報を効果的に保護するには、複数のツールと手法を組み合わせる必要があります。
効果的な戦略を立てるための最初のステップは、データのインベントリを作成することです。具体的には、組織が生成、使用、保持しているすべてのデータを特定して、記録します。このプロセスは、データ資産の全容を把握し、保護の取り組みの優先順位を決めるのに役立ちます。
次に、データの分類を行います。機密性と価値に基づいてデータをラベル付けすることで、管理、保存、セキュリティの効率が高まります。セキュリティ監査と侵入テストを定期的に行えば、セキュリティ態勢の脆弱性を見つけ出し、事前に対処することができます。
さらに、すべての従業員がベストプラクティスを遵守し、安全なデータ環境を維持できるように、データセキュリティポリシーを策定して実施する必要があります。このプロセスで重要な役割を果たすのがデータディスカバリーです。これは、組織がデータ資産を特定し、把握するのに役立ちます。
セキュリティ対策の定期的な見直しと更新、そして継続的な従業員トレーニングによって、組織のデータセキュリティ態勢を強化できます。
最後に、データセキュリティ規制の遵守を組織の最優先事項にする必要があります。規制に違反すれば、厳しい罰則や法的措置の対象となり、信頼が損なわれる可能性があるからです。一般的なデータセキュリティ規制には、次のようなものがあります。
最後に、データセキュリティは、組織の機密データを保護し、顧客の信頼を確保する上で重要な役割を果たします。
包括的なデータセキュリティへの道のりは困難に思えるかもしれませんが、積極的なアプローチを採用し、継続的な改善に取り組むことで、データ保護にまつわる複雑さを克服し、機密データの機密性、完全性、可用性を確保できるようになります。
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