レジリエンス(耐障害性および回復力)の強化と9.5%の増益を達成して競争に勝つための8つの重要な戦略についてご紹介します。
公開日:2021年3月1日
アプリケーションパフォーマンス監視(APM)は、ソフトウェアアプリケーションのパフォーマンスを追跡して、開発または運用中に起こる問題を検出し、詳細に調査するために役立ちます。SaaSアプリケーションとクラウドネイティブインフラが普及したことで、APMは、Webや特にモバイルアプリケーション上で実行されるアプリケーションのサービス品質を確保するために欠かせないツールになっています。アプリケーションパフォーマンス「管理」と混同されがちですが、APMはそれとは異なる概念です。
APMのメトリクスはパフォーマンスに関するものが中心で、アプリケーションで1秒間に処理されるトランザクション数や、各トランザクションの合計応答時間などが測定されます。また、トランザクションを実行するデバイスのパフォーマンスを測定したり、ボトルネックにつながるハードウェアパフォーマンスの問題を調査したりすることもできます。とはいえ、APMツールの主要機能はアプリケーションのパフォーマンスを直接、詳細に測定し、AIドリブンの分析を通じてインフラ全体の依存関係をすばやく把握し、問題に対処できるようにすることです。
APMツールを使用すれば、すでに収集しているデータを有効活用して、顧客に影響が及ぶ前に問題を検出することや、障害発生時の復旧時間を短縮すること、応答時間を短縮すること、サービスレベル契約(SLA)を遵守することなどができます。
この記事では、APMの監視対象になるシステムとプロセスのタイプ、APMツールの測定対象になるメトリクスのタイプ、自社にとって最適なAPMソリューションを導入する際にチェックすべき機能について説明します。
APMで直接測定するのは、ネットワークの健全性ではなく、ネットワーク上で運用されているアプリケーションの健全性です。APMでは基本的に、Webアプリケーションのトランザクション処理速度を監視します。これには、トランザクションの実行に関わる各サービスでの処理速度や、アプリケーションのパフォーマンスに関係するその他のメトリクスが含まれます。APMツールによって設計や搭載機能はさまざまですが、その主要目的は、アプリケーションとそのユーザーによって生成される各トランザクションの構成要素すべてのデータを収集して、アプリケーションのあらゆる面について実用的なインサイトを提供することです。APMツールでは、アプリケーションの異常を検知してIT運用/管理ツールにレポートを送信することもできます。これにより、開発者やサイトリライアビリティエンジニア(SRE)は、アプリケーションアーキテクチャに潜む未知の問題を特定してトラブルシューティングできます。
APMツールを使用すれば、以下のような重要な疑問の答えを見つけることができます。
APMツールでは通常、REDメトリクスと総称される3種類のメトリクスを測定します。
APMへのアプローチはツールによってさまざまですが、開発者とSREがアプリケーションパフォーマンスの問題をより包括的に理解できるようにするという目的は共通しています。多くのAPMツールで収集する具体的なメトリクスには以下のものがあります。
APMソリューションは、アプリケーション監視に関する主要機能を提供するソフトウェアです。主要機能には以下のものが含まれます。
APMソリューションは、複雑さも、設計も、対象範囲も、価格もさまざまですが、その目的が、開発者やSREにアプリケーションパフォーマンスの問題検出だけでなく、その原因の究明に役立つインサイトを提供することである点を理解しておくことが重要です。単に、アプリケーションの速度低下やエラー発生を検出するだけではあまり役に立ちません。APMが優れているのは、速度低下やエラーの根本原因をすばやく特定するための支援が充実している点にあります。実用的なAPMツールでは、これらの情報がダッシュボードにグラフィカルに表示されるため、各サービスのパフォーマンスと依存関係を簡単に把握し、継続的に追跡できます。
APMツールの導入は組織に明確なメリットをもたらします。その一部をご紹介します。
アプリケーションパフォーマンス監視とインフラ監視はどちらも、ビジネス運用を妨げるパフォーマンスや生産性の問題を把握し、対処するために役立ちます。また、どちらのツールでも、ユーザーエクスペリエンスに関するメトリクスを集約して、IT環境のパフォーマンスが維持されているか目標を下回っているかや、バグなどの深刻な問題が発生していないかどうかを判断できます。ただし、この2つでは監視に対するアプローチが異なります。
前述のとおり、アプリケーションパフォーマンス監視では、アプリケーションのパフォーマンスと、アプリケーションが適切に機能しているかどうかを監視します。機能していない場合は、問題の発生源に関するデータが収集され、アラートが生成されるため、IT運用チームは問題のある1つ以上のアプリケーションのパフォーマンス低下がどの業務や結果に影響を及ぼしているかを判断できます。また、バックエンドのパフォーマンスの問題を特定して対処することで、エンドユーザーのエクスペリエンスや組織の収益に悪影響が及ぶのを防ぐこともできます。
一方、ITインフラ監視では、組織のIT環境のさまざまな構成要素に関する情報を自動的に収集、検証します。問題が検出されるとアラートが生成され、IT運用チームは根本原因を効果的かつ効率的に調査して、問題が生産性低下につながるのを防ぐことができます。また、ネットワークリソースが最適かつ想定どおりに機能しているかどうかも確認できます。
この2つが混同されることはありませんが、用途が重なる部分が多々あります。一部のAPMツールでは、コンテナ化されていないアプリケーションだけでなく、コンテナにデプロイされたアプリケーションも監視できます。また、コンテナ監視ツールにはアプリケーションパフォーマンス監視ツールと同じ機能が多く備わっていますが、パフォーマンス測定にとどまらない追加機能が搭載されることもあります。その点で、コンテナ監視ツールはAPMツールとも言えます。
アプリケーションをコンテナ化している場合は、コンテナ監視専用ツールの導入を検討することが重要です。従来のAPMツールはコンテナ環境の監視に対応していません。コンテナ環境はあまりに複雑で依存関係が込み入っているため、標準的なAPMツールでは監視しきれません。
しかし今日では、コンテナ監視専用のソリューションが広く出回っているため、コンテナ化されたアプリケーションのパフォーマンスも従来のアプリケーションのパフォーマンスと同じように監視できます。
数多くのAPMソリューションがあり、それぞれにメリットとデメリットがあります。自社に最適なAPMソリューションを選ぶために考慮すべき重要事項を以下に示します。もちろん予算も重要な要素です。
組織に関する確認事項:
チェックすべき機能:
新しいブラウザウィンドウを開くのと同じくらい簡単にサービスプロバイダーを乗り換えることができる今日、アプリケーションのパフォーマンスを最大限に維持することは組織にとって重要課題です。
業界アナリストは、APMの右肩上がりの成長は今後も続くと見ています。アプリケーションパフォーマンス監視ツール市場について、MRFR社は2025年までの成長率を10.7%、Research and Markets社は2027年までの成長率を11.2%と予測しています。
顧客向けアプリケーションを提供する組織にとって、今日、APMシステムを導入することは重要戦略の一環です。APMを活用すれば、顧客満足度を向上させ、顧客離れやパフォーマンス低下による収益損失を回避できます。さらにAPMは、アプリケーション開発のベストプラクティスを確立、維持し、関係者全員がメリットを得られる好循環を築くために欠かせないツールになっています。
IT環境の監視を強化する
オブザーバビリティの3本の柱を実践して、ネットワーク全体の監視を強化しましょう。
Splunkプラットフォームは、データを行動へとつなげる際に立ちはだかる障壁を取り除いて、オブザーバビリティチーム、IT運用チーム、セキュリティチームの能力を引き出し、組織のセキュリティ、レジリエンス(回復力)、イノベーションを強化します。
Splunkは、2003年に設立され、世界の21の地域で事業を展開し、7,500人以上の従業員が働くグローバル企業です。取得した特許数は850を超え、あらゆる環境間でデータを共有できるオープンで拡張性の高いプラットフォームを提供しています。Splunkプラットフォームを使用すれば、組織内のすべてのサービス間通信やビジネスプロセスをエンドツーエンドで可視化し、コンテキスト(把握したい要素) に基づいて状況を把握できます。Splunkなら、強力なデータ基盤の構築が可能です。
日本支社を2012年2月に開設し、東京の丸の内・大手町、大阪および名古屋にオフィスを構えており、すでに多くの日本企業にもご利用いただいています。
© 2005 - 2024 Splunk Inc. 無断複写・転載を禁じます。
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