公開日:2023年3月2日
ソフトウェア開発ライフサイクル(SDLC:Software Development Lifecycle)とは、ソフトウェア構築のための体系的なプロセスです。システム効率の向上、適切な計画の遂行、正確なテストの実施を重視した体系的な複数のフェーズで構成されています。SDLCを活用すれば、コストを最小限に抑えながら、できる限り短時間で最高品質のソフトウェアを開発できます。
SDLCの最初のフェーズは、通常、開発プロジェクトの要件を収集して分析することから始まります。プロジェクト要件を明確に定義、計画したら、設計フェーズ、開発フェーズへと進み、そこでソフトウェアの設計と構築を行います。次のテストフェーズでは、デプロイする前にソフトウェアの不具合の有無や仕様に沿った動作の確認を取ります。SDLCの最後のフェーズでは、監視と保守を継続的に行って、テストをすり抜けたバグを見つけて修正します。
SDLCモデルは単一の開発手法ではなく、いくつかの異なるソフトウェア開発モデルからなるフレームワークです。これには以下のものが含まれます。
ソフトウェア開発モデルの1つであるスパイラルモデルは、反復型モデルとウォーターフォールモデルの要素を組み合わせて構成されます。
SDLCは、高品質なソフトウェアを開発する上で欠かせない要素です。このガイドでは、SDLCの各フェーズ、重要性、活用方法を説明します。また、SDLCのメリットを最大限に活用するためのベストプラクティスについてもご紹介します。
SDLCプロセスの目的は、ソフトウェア開発プロセスを管理し、すべてのプロジェクト要件を満たすためのフレームワークを提供することです。このフレームワークを基盤に、ソフトウェアプロジェクトの明確な目標設定、アクティビティと成果物の洗い出し、リスクの特定と最小化、ソフトウェア品質の詳しい検証、顧客の期待値の管理、デプロイ後の製品の維持といった活動が進められます。
SDLCの構造を適用することで、次のようなさまざまなメリットが得られます。
SDLCが開発者にとって重要なのは、可能な限り短時間かつ低いコスト見積もりで、最高品質のソフトウェアを開発できるためです。具体的に、次のようなメリットを開発者にもたらします。
SDLCの各フェーズには次のものがあります。
SDLCの6つのフェーズとは、計画、要件定義、設計、開発、テスト、そして最後がデプロイです。
ソフトウェア開発ライフサイクルとはソフトウェア開発のフレームワークであり、システム開発ライフサイクルとは構造化された情報技術システムの開発プロセスである、ということが両者の違いです。
ソフトウェア開発ライフサイクルと同様に、システム開発ライフサイクルも構造化されたプロジェクト管理モデルであり、次のようないくつかのフェーズで構成されます。
SDLCは現代のソフトウェアアプリケーションをスムーズに開発するためのフレームワークであり、アジャイルはそのフレームワークに基づいた特定の開発手法の1つです。
具体的にSDLCでは、さまざまなフェーズ、ステップ、プロセスを定義して、ソフトウェアの設計と開発を行います。その目的は、高品質なソフトウェアを効率的に構築することにあります。SDLCフレームワークを中心に複数のモデルが構築され、それぞれに独自のステップとプロセスがあります。アジャイルは、このような開発モデルの1つです。
一方、アジャイルは継続的なデリバリー環境を構築したい組織でよく採用されているアプローチです。このアプローチの中核となるのが、反復的な開発、短い開発サイクル、フィードバックの収集、新しい要件への適応です。
アジャイルはソフトウェア開発におけるSDLCアプローチの1つと考えられていますが、いくつか重要な違いがあります。アジャイルのアプローチは一般的に、SDLCよりも体系化されておらず短期間で進められます。アジャイルでは開発サイクルを継続的に繰り返して要件の変更に対応するのに対し、SDLCでは順を追ってプロセスを進めるため、初期のフェーズを終えたあとに要件を変更することはできません。また、アジャイルを成功させるには顧客との密接な連携が求められます。一方、SDLCではプロジェクトマネージャーの手腕にかかっています。
SDLCでは、ソフトウェア開発プロセスを管理するために多くのツールを使用します。特に人気のあるものをいくつかご紹介します。
従うべきSDLCのベストプラクティスには、次のようなものがあります。
SDLCの未来
今後数年間で、いくつかの新たなトレンドがSDLCに影響を与えるでしょう。開発プロセスではコードの記述やソフトウェアのテストに、ソフトウェア製品ではユーザーエクスペリエンスの向上に人工知能(AI)が活用されるようになり、AIはその両方でより大きな役割を果たすことになるでしょう。単一のコードベースで異なるプラットフォームをサポートできるソフトウェアの探求が進む可能性が高く、たとえば、同じアプリでもiOSとAndroidで異なるバージョンを開発する必要がなくなるでしょう。また、ソフトウェア開発においてもセキュリティが重視されるようになり、アプリケーションへのサイバーセキュリティ対策の統合がますます進むと考えられます。
現代のアプリケーション開発には、相当の労力を要することがほとんどです。目標とプロセスが曖昧なソフトウェアプロジェクトでは、軌道修正する方法を持てず、プロジェクトがとん挫するリスクを負うことになります。SDLCの各フェーズとステップに従うことで、顧客のニーズを完全に満たす、思い描いたとおりのソフトウェアを最初から構築できます。
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© 2005 - 2024 Splunk LLC 無断複写・転載を禁じます。
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