可用性監視が重要である理由
可用性監視は、テクノロジー製品やサービスが期待どおりに稼働し、動作していることを確認する手段を提供します。今日、ほぼすべての組織でテクノロジーはビジネスの生命線になっています。たとえば、Webサイトの監視について考えてみましょう。AmazonやFacebookなどのホームページがダウンしたら、短時間のうちにさまざまな問題が連鎖的に起こるはずです。障害を知らせるページが表示される場合でも、接続すらできない場合でも、顧客は不満を感じ、収益は事実上ゼロになり、最終的にはユーザーが別のサイトに移行し始めて、組織の評判と経営状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
2021年秋、Facebookとその傘下のWhatsAppおよびInstagramで同時に障害が発生し、6時間にわたってアクセスできなくなりました。この間にFacebookのアプリやサービスをまったく利用できなかったユーザーは1400万人以上にのぼります。識者の試算では、このダウンタイムの1分あたりのコストは16万3565ドル、当日の収益損失額は合計で6000万ドルに達しました。
さらに、ダウンタイムの発生時には、迅速に問題を修正してサービスを回復する必要があるため、ITスタッフが総出で対応に当たることになり、それによって生産性低下のコストも生じます。
可用性監視の目的の1つは、重要なテクノロジーサービス(エンドポイントのWebサイトだけでなくすべてのハードウェアとソフトウェア)の稼働状況を期待どおりに保つことで、こうした大規模な損害を回避することです。
可用性監視には、外部テクノロジープロバイダーのサービスレベル契約(SLA)のパフォーマンスを監視するという重要な側面もあります。サービスプロバイダー(インターネットサービスプロバイダー、クラウドテクノロジープロバイダーなど)と利用契約を結ぶ場合、その契約書には通常、プロバイダーが最小限維持すべき可用性が、主に特定期間(1カ月など)の稼働率という形で指定されます。この場合、利用側の組織は稼働時間を監視するなどの方法で、実際の可用性を把握する必要があります。利用側の可用性監視ソリューションで測定した結果、SLAを満たせなかった場合は、返金や利用料の減額を申請できます。