安全基準の強化、業務パフォーマンスの向上、お客様へのより優れたソリューションの提供に取り組む当社にとって、 Splunk for Industrial IoTは、組織全体のデータ活用を強力に後押しする優れたソリューションです
安全基準を守り、環境災害を防ぐために、複雑化したシステムやインターネットに常時接続する船舶をリアルタイムで可視化して監視する必要がありました。
Splunkプラットフォームを使用して海中の構造物にデータ主導のアプローチを取り入れることで、安全基準を強化しながら運用効率を向上させることに成功しました。
Sapura社は、国際的なエネルギー企業であるSeadrill社とSapura Energy社が共同出資して立ち上げたブラジルの船会社です。同社が保有するハイテク船団は、ブラジルの国営石油会社であるPetrobras社に海底パイプラインの敷設サービスを提供しています。洋上データセンターの役割を担うこの船団をリアルタイムで監視し、トラブルシューティングを行うことが同社の課題でした。
Sapura社でIT責任者を務めるNelson Carmelinho氏とそのチームは、基幹ビジネスプロセスを支援するだけでなく、安全性と生産性の向上に継続的に取り組み、組織にイノベーションをもたらす新たな機会を常に模索しています。
情報技術(IT)チームと運用技術(OT)チームがかつて直面していた課題の1つは、ブラジルの沿岸から約320キロメートルの沖合に停泊している6隻のパイプライン敷設専用船から送られる運用データを可視化することでした。月末に業績報告書を確認するだけでは不十分だったのです。「毎日1時間ごとに生成される膨大な量のデータを可視化する必要がありました。そこで頼ったのがSplunkです」とSapura社CEOのAndré Merlino氏は説明します。
Carmelinho氏はまず、Splunk® Enterpriseの無料トライアル版をダウンロードしてテストを行いました。いくつかのダッシュボードを作成し、そこから船舶のインターネット回線や電話回線の支出を削減する方法を見つけ出したことで、3カ月を待たずにソリューションの価値を実証しました。「すばらしいツールであることがわかりました。そこでライセンスを購入して、さらなる価値を引き出すことにしたのです」とMerlino氏は述べています。「Splunk for Industrial IoTのベータプログラムを含め、他の機能も当社にとって非常に有益なことがわかりました」
船上ではSapura社の作業班が、顧客や関係他社の技術者、エンジニア、整備士、キャプテン、オペレーターとともに水深3,000メートルにパイプラインを敷設するための複雑な作業を行っています。
その水深では人間は作業できないため、私たちの目や腕として代わりに作業を行う遠隔操作艇(ROV)を使用します」(Merlino氏)
ROV以外にも、Sapura社が使用するシステムには、エンジンやスラスターなど、船の操縦に必要な機器を搭載した船舶が数多く含まれます。また、パイプ敷設システムも重要なコンポーネントです。これは、パイプを保持する2つのテンショナーを備えたタワーです。油井と生産設備をつなぐパイプラインの敷設は非常に難しく、敷設時の安全確保と環境災害の回避が何よりも重要です。
Sapura社は、船舶管理システム、タワー、ROVを豊富なデータソースと考えています。これらのシステムはいずれも、温度、速度、張力、能力負荷を含むさまざまなデータを生成します。しかし最近までは、サイロ化されたシステムで各データストリームを個別に収集していました。
「Splunk Enterpriseを使用することで、どのくらいのデータを収集でき、そのソースがどこにあるのかを把握できるようになりました」とMerlino氏と評価します。「この点が、今まで使用してきた他のソリューションとSplunkとの大きな違いです。以前は、システムの重要部分の監視は船上でしかできませんでした。今日では、これらのデータをリアルタイムダッシュボードでリオデジャネイロの本社に転送しています」
船上の作業班もSplunkダッシュボードを活用しています。ダッシュボードは、重要な状況の監視に特に役立っています。以前は、複数の船舶システムで頻繁に警告が発生し、作業班の業務を妨げるノイズになっていました。
「リアルタイムの警告を統合したことが効果的だったのかもしれません。データを総合的に分析することで、異変の兆候を察知できるようになりました。今日では、その情報を陸上でも活用してインテリジェンスを構築しています」(Merlino氏)
Sapura社の最優先事項は、パイプライン敷設の基幹システムであるタワーの状態を可視化することでした。そして、次の優先事項としてROVの可視化が挙げられています。「私たちの目標は、ROV、エンジン、スラスター、タワーからの情報を統合するダッシュボードを作成し、これらのデータの相関関係を調べて、起こり得る障害を予測することです。数カ月先の障害を予測できるシステムの構築を目指しています」とMerlino氏は述べています。
「私たちは、ヒヤリハットや事故のない環境こそコアバリューである考え、それを目標としています。船舶からの情報とすべてのインテリジェンスを活用して障害を予測し、防止することで、安全基準の向上に取り組んでいます。稼働率の向上はその当然の結果です。また、安全基準が向上すれば、作業中の事故を回避できる可能性が高まります。それが私たちの原動力になっています。Splunk for Industrial IoTは、当社が安全性と運用に関する基準を強化するうえで重要な要素なのです」(Merlino氏)