テレビのネット接続率は、日本はまだ10%程度。しかし、将来的なデータ活用のユースケースを考えたときにSplunkの製品は魅力的だった
1996年、日本初のショッピング専門チャンネルとして放送を開始、テレビ通販「ショップチャネル」を展開するジュピターショップチャンネル株式会社。「ショッピングエンターテイメント」を掲げ、キャスト、ゲストの2名の掛け合いによるセリフ・台本なしの生番組は、コールセンター、スタジオ、副調整室が連携しリアルタイムの注文状況・在庫情報・電話の混雑情報を正確かつタイムリーに伝えるライブ感が視聴者に大いに支持され、着実な成長を遂げてきました。
同社はテレビ通販だけでなく、EC、カタログなどのオムニチャネル化を推進。ECサイトは2003年3月からスタートしました。こうした取り組みの中で、同社は複数にわたるサーバーの不具合調査などに運用負荷が高まっていることや、社内の各所にあるデータを統合、分析する環境がサイロ化する課題を抱えていました。そこで、2018年4月、課題解決のためにSplunk Enterpriseを導入。従来、IT運用データの分析ツールとして導入していたZabbixのログや、モバイルアプリのログを統合、分析し、IT運用の効率化に成功するとともに、社内の各所に点在していた顧客データログもSplunkに集約し、データ成形、機械学習を経て、顧客とのエンゲージメント向上を図っています。
同社のオムニチャネル推進部でモバイルアプリのサービス提供や改善を手がける並木氏は「大きく2つの課題があった」と語ります。1つは、「複数サーバーにわたる不具合を調査する作業負荷が高いこと」、そして2つめは「データの分析環境がサイロ化していること」です。
前者のIT運用管理の課題については、もともとシステム監視ツールとして、Zabbixを利用しており、「障害を検知したサーバ調査には、十分な性能だった」ものの、障害箇所が複数にわたり検知しにくい状況や、一部のケースだけ発生しているような不具合の場合、「1台1台、サーバを調査し障害箇所を特定するのに苦労していた」そうです。
「お客様からの問い合わせに対して、1営業日以内に回答するポリシーを掲げているが、お客様が困っている状況を知るためにログを調査するのに、複数のサーバーにまたがって調査する作業がボトルネックになっていた」と並木氏は話します。
後者のデータ分析環境については、たとえば、Webサイトの注文途中に利用者が離脱する理由を知りたいときに、アクセスログにアプリケーションのログを紐付けて、関連性を分析する作業に多くの手間が発生していました。また、Webアクセスログやメルマガ配信のデータを突合させ、マーケティング施策の結果を実績共有レポートにまとめる作業にも多くの負荷が発生していました。