集約したデータをSplunkで分析してインサイトを取得し、疑問点を解決してアクションにつなげています。ときには予想すらしていなかった問題を解決できることもあります。
Honda Manufacturing of Alabama社では、工場の豊富なデータソースを可視化できていなかったため、組み立て現場のパーツ、機器、設備に関するインサイトを取得できず、トラブルシューティングが後手に回っていました。
現在はSplunkの機械学習テクノロジーを活用して効率と安全性を向上させ、問題を未然に検出して解決することで、機械の故障や生産ラインの中断を防止しています。
最先端の生産設備を誇る同社では、Splunkの機械学習、IoT、予測分析テクノロジーを活用してデータを行動につなげ、機械の寿命予測から年間3,400台以上の自動車の安全かつ効率的な生産まで、さまざまな成果を実現しています。
Honda社が運営する世界最大規模のライトトラック生産拠点、Honda Manufacturing of Alabama (HMA)は、Honda社のSUV「Passport」、ミニバン「Odyssey」、SUV「Pilot」、トラック「Ridgeline」と、その動力となるV型6気筒エンジンを独占的に生産しています。この広大な工場では、4,500人以上の従業員が複雑な機械を操作して自動車のフレームを組み立て、車体を塗装し、車両内部に何千もの部品を複雑に配置して、ボンネットからホイールキャップまで自動車を一貫して生産しています。
この綿密なプロセスでは大量のデータが生成されますが、Splunkの導入前は、そのデータを十分に活用できていませんでした。「数年前までは迅速な対応ができず、大きな課題になっていました」と、HMA ITイノベーションチームでスタッフエンジニアを務めるCharlie Studdard氏は説明します。「Splunkを導入すれば、IT、機器、現場のいずれでも、予測に基づくプロアクティブな対応が可能になるのではないかと考え、検討を開始しました」
Honda社では現在、Splunkを活用して、工場全体の問題解決、意思決定、ビジネス戦略にデータを役立てています。「Splunkを導入して以来、以前のような未知の状況やインシデントが発生しなくなりました」と、Honda社でIT運用マネージャーを務めるJonathan Murphy氏は言います。「かつては毎週、深夜に2~3本の緊急電話がかかってきましたが、今では静かなものです」
集約したデータをSplunkで分析してインサイトを取得し、疑問点を解決してアクションにつなげています。ときには予想すらしていなかった問題を解決できることもあります。
Honda社が手に入れた予測能力は、生産ラインから役員会まで、問題解決とイノベーションに対する工場全体のアプローチに変革をもたらしました。Splunkの機械学習テクノロジーを味方に付けたチームは、機器の信頼性から環境への影響まで、あらゆる課題に事前構築済みのモデルと予測分析を活用しています。たとえば、工場で塗料の揮発成分を燃焼する際は、Splunkを使って機器の温度を予測および監視して、揮発成分が適切に除去され、EPAが義務付ける温度を機器が超えないように管理しています。これによって、環境が汚染されたりプロセスが丸一日停止したりするような事態を防いでいます。
「製造現場から、機器、電力計、工場で使用している100種類のアプリケーションまで、すべてのデータをSplunkに集約しています。その後、集約したデータをSplunkで分析してインサイトを取得し、疑問点を解決してアクションにつなげています。ときには予想すらしていなかった問題を解決できることもあります」(Studdard氏)
問題が発生したときは、視覚的に表示されたメトリクスと、コンテキストが付加されたイベントインサイトを確認することで、チームメンバーの共同作業の効率が向上し、平均修復時間(MTTR)が70%短縮されました。「以前は、インフラ、ネットワーク、開発環境がそれぞれ孤立していたため、状況を把握するのも困難でした。Splunkのおかげで、全員が同じデータに基づいて協力して対応し、問題を迅速に解決できるようになりました。私たちにとってSplunkはまさにゲームチェンジャーです」(Murphy氏)
さらに、Splunkの導入によってエネルギー消費量の削減に成功したほか、従業員がより高度なイニシアチブに集中できるようにもなりました。「Splunkの導入効果で効率が向上したため、今では、Splunkに取り込むデータの開拓やイノベーションプロジェクトなど、より戦略的な業務に時間を費やすことができます。おかげで、家に帰ったら仕事のメールチェックは明日に回して、家族との時間を優先できるようになりました」(Studdard氏)
当社では、機械学習を使って電力からモーターの電圧までのすべてを監視しています。データを通じてエンジン部門やQAなどの社内顧客に多くの価値を提供することで、以前よりも厚い信頼を得ています。
製品と従業員の両方の安全を守ることはHondaブランドの伝統です。しかし、大規模に安全を確保するには高い精度が求められます。「あらゆるユーザーの安全を確保するには、製品を限りなく完璧に近づける必要があります。一度市場に出てしまった自動車を回収するのは容易ではありません。そのため、センサーからブレーキまで、すべてが正しく機能することを事前に保証することが欠かせないのです」(Studdard氏)。それを実現するのがSplunkです。
Honda社では、Splunkのプラットフォームを活用して、組み立てライン全体に影響を及ぼす可能性のある問題をプロアクティブに解決しています。予測分析によって全社的にイノベーションを促進することで、新しい部品をより安全に製造できるようになり、部品の連携に対する理解も深まりました。「新しい部品を取り付けるたびにSplunkで品質を追跡し、Hondaの安全基準を維持しています」(Studdard氏)
また、すべての製品の品質を確保するために、Splunkでアプリケーションデータ、マシンデータ、IoTデータ、電力データを相関付け、モーターの振動から電力使用量、温度まで、あらゆる情報を分析しています。「Splunkのおかげで、現場のエンジニアだけでなくビジネスリーダーもデータに基づいて重要な意思決定を行うようになり、データ活用が社内全体に浸透しています」(Studdard氏)
Honda社の成功には、生産ラインを中断なく稼働させ続けることが不可欠です。「Splunkで機器の障害を予測することは私たちにとって大きな価値があります」と、Honda社でシニアスタッフエンジニアを務めるBobby Roger氏は言います。「機器のダウンタイムは大きなコストにつながります。そのため、問題を予測して未然に修理することの節約効果は絶大です」
金属プレスから廃車まで、自動車の全ライフサイクルのデータを取り込んであらゆる面で活用することで、より良い製品を作ってお客様にご満足いただき、次もHondaを選んでいただくことが私たちの望みです。