Splunk Edge Hubは、ハードウェアデバイスとSplunkプラットフォーム、そしてそれらを基盤にSplunkのパートナーが構築したソリューションで構成されます。エッジデバイスやセンサーのデータを収集、配信、活用するための強力なツールであり、物理的またはデジタル的にアクセスが難しいデータも簡単に捕捉して活用できます。この記事では、Edge Hubデバイスに付属のセンサーや外部センサーを利用したいくつかのユースケースをご紹介します。Edge Hubデバイスの画面では、センサーデータを観測できます。この画面は、Splunk Mobile App、Splunk AR App、Splunkプラットフォームからも見ることができます。
Splunk Edge Hubでは、以下を含むさまざまなソースからデータを収集できます。
私は、米国ネバダ州のブラックロック砂漠で開催されたアートインスタレーションのサポートインフラの重要システムを監視するために、Edge Hubデバイスを現地に持ち込みました。これは、耐候性に優れたEdge Hubデバイスの筐体が過酷な環境にどれだけ耐えられるかを証明する良い機会になりました。環境条件となるのは一般的に熱と埃です。どんなに堅牢な機器やインフラも、通常の環境条件下で負荷を受けるものです。まさか、Edge Hubデバイスが暴風雨にも十分に耐えられるかテストすることになるとは想像していませんでした。今になって思えば、漏水センサーを付けていてもよかったかもしれません!最終的に、Edge Hubデバイスは、サポートインフラを監視および観測し、Splunkプラットフォームでインサイトを引き出したり詳細な分析を行ったりするために十分なデータを提供することで、大きな価値をもたらすことが証明されました。
Edge HubデバイスとSplunk Enterpriseサーバーを使用した目的は、MQTTメッセージを送信する電力計と統合すること、そして付属のセンサーからデータを収集することでした。ラボ環境では、監視用の機器とセンサーをすべて想定どおりにセットアップできましたが、現地では、ネットワーク機器が原因で、いくつか予想外の問題に見舞われました。それでも、Edge Hubデバイスから、興味深いデータをたくさん収集できました。
図1-1. インフラ監視のために取り付けられたSplunk Edge Hubデバイス、ダッシュボード、インスタレーションから離れた場所に置かれたEdge Hub製品とそのボックス。
Splunk Edge Hubデバイスで監視したミュージアムは送電網につながっていない、いわゆる「オフグリッド」ですが、太陽光発電を使って日没から日の出までギャラリーをライトアップしました。これは、夜間でもギャラリーを見学できるようにするためだけでなく、視界が悪くなる時間帯に周辺を通行する車両がギャラリーに気づかずに衝突するのを防ぐためにも重要でした。そのため、一晩中ギャラリーを照らすのに十分な電力をバッテリーに蓄えておく必要があります。曇りの日や砂埃が舞う日は発電量が低下するため、予備の発電機にも電力を蓄えておくことにしました。
最終的に、埃を払うといった簡単なメンテナンスを行うだけで、太陽光発電で電力をまかなうことができました。Edge Hubは、ひどい埃と熱と湿気の中、まる1週間働き続けました。
日中の暑さ、砂嵐、暴風雨の中でもEdge Hubデバイスはデータを収集し続けました。Splunk Enterpriseサーバーに接続できないときでも、データを保持して、再度接続したときに無事送信することができました。デバイスは、焼けつくような日差し、舞い飛ぶ埃、降り注ぐ雨を耐え抜いたのです。精密機器を埃や湿気から守り、その機能を維持できたことは大きな収穫です。インフラ設備は終始、バッテリーを充電するのに適した温度に維持されました。高温になると太陽光発電機のバッテリーに効率的に充電できなくなる可能性があるため、常に注意が必要です。Edge Hubデバイスでは、センサーデータを画面で簡単に確認できるため、温度、湿度、圧力、外部センサーを常時チェックできます。天候が変化して、高温で埃が舞う状態から雨に変わっても、Edge Hubデバイスはセンサーデータとイベントを記録し続けました。このデータは、同規模のプロジェクトでの電力需要の予測に役立つでしょう。
重要なサポートインフラの発電状況を監視することは、オフグリッドを維持すること以外にも、さまざまな点で重要です。
図1-2. Splunkプラットフォームに表示されたSplunk Edge Hubデバイスのメトリクス。温度、湿度、音、加速度などのセンサーデータがグラフで表示されています。
収集するデータが多いほど有益なインサイトが得られます。Splunkプラットフォームを使えば、大量のデータを簡単に有効活用できます。得られたインサイトに基づいて、インフラ、プロセス、サービスを改善することで、システムやプロセスの可視性とオブザーバビリティがさらに向上します。Splunkプラットフォームによって履歴データを活用する基盤を確立し、Splunk Edge Hubソリューションによってセンサーからデータを繰り返し収集することができます。
センサーデータを活用すれば、インサイトをアクションにつなげることができます。Splunk Edge HubとSplunkプラットフォームを組み合わせれば、以下が実現します。
Splunk Edge Hubは、Edge Hub Centralからご購入いただけます。Splunk Edge Hubの詳細とパートナーソリューションについては、edgehubcentral.comをご覧ください。Splunk Edge Hubは現在、米国限定で販売しています。今後、販売地域を拡大する予定です。
このブログ記事はSplunkのオブザーバビリティソリューション担当イノベーションエンジニアであるAdam Schalockが執筆しました。
このブログはこちらの英語ブログの翻訳、伊藤 宣子によるレビューです。
Splunkプラットフォームは、データを行動へとつなげる際に立ちはだかる障壁を取り除いて、オブザーバビリティチーム、IT運用チーム、セキュリティチームの能力を引き出し、組織のセキュリティ、レジリエンス(回復力)、イノベーションを強化します。
Splunkは、2003年に設立され、世界の21の地域で事業を展開し、7,500人以上の従業員が働くグローバル企業です。取得した特許数は1,020を超え、あらゆる環境間でデータを共有できるオープンで拡張性の高いプラットフォームを提供しています。Splunkプラットフォームを使用すれば、組織内のすべてのサービス間通信やビジネスプロセスをエンドツーエンドで可視化し、コンテキストに基づいて状況を把握できます。Splunkなら、強力なデータ基盤の構築が可能です。