Web3.0 (以下: Web3)は、従来のインターネットとは異なり、ブロックチェーンテクノロジーと深く関わる次世代の「分散型インターネット」の総称です。このWeb3は、新たなパラダイムシフトをもたらし、世界を変えるパワーを秘めていると多くのCXO (経営幹部)がそのメリットを期待しています。そのため、先を争うようにWeb3への理解を深め、ビジネスチャンスを特定して、組織を新たな高みへと引き上げる次世代ビジネスモデルに転換する機会を探っています。
なぜそれほど急いでWeb3がもたらす価値を模索する必要があるのでしょうか?それは、Web3時代に入るとビジネスの可能性がさらに、想像以上に大きく広がるため、早く行動した組織ほど新しいテクノロジーを深く理解でき(それにより円滑な導入が可能になり)、インフラとエコシステムの面で優位に立てるメリットがあるからです。
Web3はブロックチェーンテクノロジーと深く関わり、分散型金融(DeFi)、分散型自律組織(DAO)、分散型アプリケーション(dApp)など、幅広い次世代ソリューションを生み出します。中でも特に注目を集めるソリューションがNFT (非代替性トークン)です。
NFT (非代替性トークン)とは、不正や偽装ができない所有証明付きのデジタルデータを指します。NFTは、イノベーションの大きな原動力として、わずか数カ月のうちに芸術・音楽業界を席巻し、アートを民主化して、アーティストの収益力を飛躍的に高めました。また、Coca-Cola社やStarbucks社をはじめとする世界的ブランドがNFT事業に参入し、ROIを達成して、デジタルカスタマーエンゲージメントを向上させています。さらにアジア太平洋地域でも、飲食業界の大手Tiger Beer社、オーストラリア動物園、ファッションブランドのLove, Bonito社、Pestle & Mortar社など、名だたる企業がWeb3事業を立ち上げ、高い評価を得ています。
しかし、NFTの成功には各社の事業成功よりも大きな意味があります。Web3が生み出したNFT市場の盛り上がりは、もっとイマーシブでインタラクティブかつインクルーシブな未来をデジタルエコノミーが進んで受け入れようとしていることを示しています。未来がWeb3上に築かれることは間違いないでしょう。そのような未来では政府、企業、ユーザーが使用する分散型プラットフォームにより、デジタル資産と物理資産の差がなくなり、すべてを一目で把握できるようになります。
上記で述べたような未来に対して消費者も企業も、Web3が「デジタル」を超えて現実世界の資産や体験にも影響を及ぼすことを受け入れかねているため、現状その真価を捉えきれずにいます。
現実世界で行われるフットボールの試合の入手困難なチケットの販売でも、実在するレアスニーカーの所有権の保証でも、Web3は新しい可能性を提示しています。Web3がなくても同じようなことはすでに可能ですが、実現には相当な手間がかかります。まず、デジタル資産または物理資産の所有権を獲得してデジタル版を作成し、取引/商品化の認定や法的許可を得て、取引を円滑に行うために仲介企業と契約し、資産を配送するための物流を管理する必要があります。しかも、すべてに1対1でのやり取りが求められます。
Web3は、ブロックチェーンテクノロジーを基盤として、ビジネスにかかるコストを低減し、信頼の分散を実現して、従来の枠組みを一変させます。その自己認証の能力は、商取引に膨大なインパクトをもたらす可能性があります。
たとえば、正規の医薬品やオーガニック認定を受けた食品を購入できる持続可能なサプライチェーンを構築する場合は、Web3ベースのシステムを利用すれば計り知れないメリットが得られます。
従来のプラットフォームだと、認証メカニズムが提供されないまま、販売者は各段階でバリューチェーンのすべてのポイントを信頼するよう強いられることになります。また企業は各ポイントの正当性を証明するために多大な出費を強いられかねません。一方、Web3テクノロジーをベースとするプラットフォームでは信頼性が本質的に備わっているため、エコシステムを丸ごと構築しなくても、サプライチェーンを刷新、変革し、ビジネス価値を高めて、あらゆる面を容易に拡張できます。
Web3の真価を捉えるには、先入観を捨てる必要があります。開発途上の環境で実験と改善を重ねて、独自の機会を開拓し、ゆくゆくは活用していくことが大切です。Web3の時代にイノベーションは必須ですが、目標とする成果を達成するにはセキュリティとレジリエンスの強化も求められます。Splunkのような優れたパートナーと手を組めば、イノベーションを加速して、Web3プロジェクトを推進し、新しいユースケースを早期に開拓できます。
セキュリティはイノベーションの重要な要素であり、Web3エコシステムにおいても不可欠です。NFTマーケットプレイス「OpenSea」のユーザーは、単純なフィッシング攻撃でどれだけ簡単に170万米ドルが失われてしまうかをよく知っています。これは最近実際に起きた事件で、データセキュリティの必要性を物語っています。
もちろん、これは驚くことではありません。過去1年間で、テクノロジー業界では悪質なアクティビティが他の業界よりも多く発見されています。Splunkのセキュリティ調査レポート2022年版によると、フィッシング攻撃の被害に遭った企業は57%にのぼります(他の全企業の平均は45%)。
このことから、Web3の新しい枠組みを牽引するのはデータであるという事実にも目を向ける必要があります。
新しい時代にWeb3がもたらす機会を最大限に活用するには、大量のデータをリアルタイムで理解、保護し、インサイトを引き出すことで、トランザクションの正当性を確認し、自信を持って行動できることが重要です。Splunkの役割は、組織がそのようなエンドツーエンドインフラとプロセスを構築するお手伝いをすることだと考えています。
Splunkチームはすでに、世界をリードするさまざまな企業のパートナーとして、データの理解、ハイブリッド環境の保護、脅威の原因究明、プラットフォームやアプリケーションのリスク特定を支援しています。
Web3環境で信頼の基盤となるインフラは自律性が高いため、組織が管理できる部分はあまり多くありません。そのため、イノベーションを推進するにはデータを可視化することがより重要になります。
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NFTは、Web3が生み出す進歩の象徴です。その裏で企業は、Web3が実現する新たなパラダイムに乗り遅れまいと思考の転換を図っています。Web3は現実世界で、ビジネス、プラットフォーム、アプリケーション、バリュープロポジションに関する莫大な価値を創出しています。
イノベーションを加速して、新しい世界でチャンスを掴みたいとお考えであれば、ぜひSplunkの最重要イベント「.conf22(2022年6月開催) 」にご参加ください。Splunk幹部はもちろん、C6銀行、楽天、GE Digital、T-Mobile、AtlassianをはじめとするSplunkの主要なお客様やパートナーが参加するこのイベントでは、5つのラーニングトラックに沿った200のセッションを通じて、組織とビジネスのために今何をすべきかを学ぶことができます。イベントのアーカイブもございますので、ぜひご覧ください。
#splunkconf22のハッシュタグが付いたツイートをぜひご確認ください。
このブログはこちらの英語ブログの翻訳、大久保 かがりによるレビューです。
Splunkプラットフォームは、データを行動へとつなげる際に立ちはだかる障壁を取り除いて、オブザーバビリティチーム、IT運用チーム、セキュリティチームの能力を引き出し、組織のセキュリティ、レジリエンス(回復力)、イノベーションを強化します。
Splunkは、2003年に設立され、世界の21の地域で事業を展開し、7,500人以上の従業員が働くグローバル企業です。取得した特許数は1,020を超え、あらゆる環境間でデータを共有できるオープンで拡張性の高いプラットフォームを提供しています。Splunkプラットフォームを使用すれば、組織内のすべてのサービス間通信やビジネスプロセスをエンドツーエンドで可視化し、コンテキストに基づいて状況を把握できます。Splunkなら、強力なデータ基盤の構築が可能です。