ヨーロッパで最も高い場所(標高1,560m)に位置する町ダボスは、さまざまなスポーツ、アウトドア、文化を楽しめる一大観光地です。しかしスイスのこの美しい都市は、年に1度、旅行者ではなくビジネスリーダーや政府関係者で溢れます。その目的はもちろん、世界経済フォーラム(WEF)です。
今年、私は幸運にも、SplunkのCEOであるGary Steeleと同僚のJames Hodge、Gordon MorrisonとともにWEF 2023に参加する機会を得ました。それは、「分断された世界における協力の姿」をテーマに、世界中から集まった2,700人以上の業界リーダーや政府関係者と世界情勢について話し合い、より良い世界を築くために必要な取り組みを模索する貴重な機会となりました。特に、かつてないほどの危機が同時進行する中での開催であったため、今年ほどこのイベントの重要性が高まった年はないでしょう。
その週の間に私は数多くのパネルディスカッション、エグゼクティブミーティング、ネットワーキングセッションに出席しました。その中で私の印象に強く残った重要課題を以下にご紹介します。これらは、他のWEF参加者はもちろん、世界中の人たちが関心を寄せる話題でしょう。こうしたさまざまな課題はあるものの、WEFの参加者は最終的に次の一点で同意しました。
世界は重大な転換期を迎えています。私たちは今、相互に密接に関連した複雑で避けることができないリスクに直面しています。この危機を乗り越えるには、世界が一体となって協力し合い、レジリエンスを高めていく必要があります。
世界が今日直面している脅威や危機はかつてないほど広範囲に及んでいます。WEFで私が話をした参加者は皆、現代が近年の歴史の中で最も不確実な時代だという意見で一致しました。予測不能な災害は今や日常の一部となり、その対策は必須です。私たちが直面している問題は政府だけで解決できるものではありません。レジリエンスとアジリティを高めて、社会や経済への影響を最小限に抑えながら破壊的な事象に耐え、そこからすばやく回復できるようにするには、官民の連携を強化する必要がある、というのがWEF参加者の共通の考えです。
WEFのある参加者が言っていた「世界はもはや安全な場所ではない」という意見に私は強く同意します。今日では犯罪組織、国家、ハクティビストが手を組むようになり、サイバー攻撃はより巧妙、頻繁、かつ執拗になっています。サイバー攻撃は短期的なリスクと同時に長期的なリスクをもたらし、組織や政府にとってはもはや「起きるかどうか」ではなく「いつ起きるか」の問題です。こうしたリスクを緩和してレジリエンスを強化することで、事業を継続しながら重要なインフラを敵から守ることがすべての組織に共通する目標です。WEFではその効果的な対策が共通のテーマとして話し合われました。
WEFでは、危機やリスクだけでなく、AI、量子コンピューティング、デジタルトランスフォーメーションといったテクノロジーの進化も重要な議題として取り上げられました。組織や政府にとってデジタルシステムは、かつては顧客や市民のニーズを満たすためのサポート役でしたが、今日ではあらゆる接点で主役になっています。そのため、デジタル化の推進は多くのチャンスを生みます。しかし同時に、組織のリーダーも政府関係者も、テクノロジーへの依存を高めることにマイナス面があることを認識しています。それは、セキュリティリスクが増大し、システムが複雑化して攻撃に晒される領域が拡大することです。それでも、組織全体でデジタルレジリエンスを確立、強化できれば、成長とセキュリティの両立は可能だと誰もが確信しています。
ダボスで開催された世界経済フォーラム2023に参加し、民間組織や公共機関を代表する活気溢れる人々と交流できたことは、私にとって大きな喜びであると同時に、豊富な情報を得られるすばらしい体験でした。私たちは今、過去に類を見ないほど多くの危機に晒されています。しかし、社会が連携を強め、テクノロジーを活用してイノベーションを推進し、アジリティを高めることが、よりレジリエントな世界を築き、将来のあらゆるリスクに備えるための鍵だ、というのが参加者の共通の見解です。
WEFで話し合われた内容にご興味がある方は、SplunkのCEOであるGary Steeleが参加したセッションのビデオ「リスクとの共存」(英語)をぜひご覧ください。
このブログはこちらの英語ブログの翻訳、前園 曙宏によるレビューです。
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