ラスベガスで開催された.conf24イベントは大盛況に終わり、Splunkは、より安全でレジリエンスが強化されたデジタル世界を作るという揺るぎない目標に向けて決意と情熱を新たにしています。2003年以来、Splunkのコミュニティがいかに大きく成長したかを.conf24で目の当たりにして、感無量の思いです。
5,500人を超える参加者と1,000社以上のパートナーが一堂に会したこのイベントは活気に溢れていました。新しい出会いと再会に喜び、豊かな学びの機会を得て、未来は可能性に満ちていることを実感しました。
.conf24は、シスコによるSplunkの買収後初めて開催されたイベントであり、この合併の初期の方向性を参加者の皆様に具体的な形でお見せするまたとない機会となった点で意義深いものでした。買収以後、私たちは比較的短期間のうちに、Cisco TalosやSplunk Observabilityを含む主力製品の統合を成し遂げ、組織のデジタル環境全体をより包括的にエンドツーエンドで可視化してインサイトを引き出し、レジリエンスをかつてないレベルに引き上げるソリューションを実現しました。
しかしそれは、両社の融合が秘める潜在能力とチャネルプログラムが示す可能性の一端に過ぎません。
Splunkの『2024年セキュリティの現状』レポートでは、日本の回答者の35%が「セキュリティスタックがあまりにも複雑化している」と回答し、29%が「すべてのセキュリティ関連データを効果的に分析することができない」と回答しています。また、オーストラリアの回答者の56%が「国家を後ろ盾とする犯罪グループによる攻撃を受けたことがある」と回答しています(世界全体の平均は39%)。その要因の1つとして可視化が進んでいないことが考えられます。組織が直面するセキュリティの課題は、特にこのAI時代に突入して以降、ますます複雑になっています。アジア太平洋地域の組織のリーダーにとって、ビジネスを将来につなげるために適切なオブザーバビリティツールへの投資を優先することは急務です。
前述のレポートによると、シンガポールでは「デジタルレジリエンスが顧客維持率の向上につながる」について「非常にそう思う」と回答した割合が23%、「デジタルレジリエンスが重大な業務中断の防止につながる」について「非常にそう思う」と回答した割合が25% (世界全体の平均は35%)にとどまりました。この傾向はSplunkのレポート『ダウンタイムの隠れたコスト』でも見られ、予定外のダウンタイムがビジネスに与える影響が過小評価されがちであることは明らかです。アジア太平洋地域の組織のダウンタイムコストは総額で1億8,700万ドルに達します。さらに、アジア太平洋地域は欧州とともに、他の地域と比べてダウンタイムからの回復に時間がかかっています。
これらのレポートの調査結果は、1日あたり約4,000億件のセキュリティイベントが発生しているという真の脅威を反映しています。セキュリティにおいては、Gary Steeleによる簡潔な表現を借りれば、「過去の成功に甘んじてはならない」のです。
調査によると、レジリエンス強化の取り組みが進んでいる組織では、アプリケーションやインフラ関連のダウンタイムからの復旧時間が他の大半の組織よりも28%短く、サイバーセキュリティ関連のダウンタイムでは23%短いこともわかりました。これは重要な点です。こうした組織は、データ管理を重視し、AIなどの高度なツールとテクノロジーを統合して、より洗練されたセキュリティ戦略、監視戦略を築くことで、組織内にレジリエンスの文化を醸成しています。
データは力です。セキュリティ、オブザーバビリティ、AIはいずれもデータなしには成立しません。成功の鍵は、適切なデータに適切なタイミングでアクセスし、データを最大限に活用して結果を出せるかどうかにあります。この点を踏まえると、未来志向のSOC (セキュリティオペレーションセンター)を構築し、デジタルレジリエンスを強化するには、脅威の検出、調査、対応のための統合的なソリューションが不可欠です。
Splunkとシスコは、相乗効果を活かし、お客様が抱える喫緊のセキュリティニーズに対応する統合的な機能を提供すべく、精力的に取り組んでいます。.confでは、製品ポートフォリオ全体に導入予定の一連のAIツールとアシスタントをご紹介しました。その中には、SPL対応の新しいAI AssistantやSplunk Enterprise Security 8.0などが含まれ、いずれも、定型業務を効率化し、データから新たなインサイトを引き出して、デジタルレジリエンスを強化することを目的としています。
すでに、KDDI社、Strongroom AI社、Kumu社をはじめとするお客様が、これらの機能強化を取り入れてシステムのフルスタックの可視化を実現し、インシデントからの復旧時間を短縮してサービスの稼働時間を最大限に維持することでブランド評価を高めています。
.confのGlobal Partner Summitでは、2024年Splunk Partner Awardsの受賞者が発表されました。アジア太平洋地域からは、Splunk製品に関する深い専門知識とコミットメントが評価され、JDS Australia、EY、Macnica、Hyperion3、CyberCXの各社が受賞しました。アジア太平洋地域のパートナーは、この地域のお客様がデジタル環境全体のレジリエンスを構築できるよう支援するために欠かせない存在です。
Splunkパートナーの約75%はすでにシスコのパートナーでもあります。Splunkとシスコ、そして両社のすべてのパートナーが力を合わせてこの統合ジャーニーを続けていけば、さらに多くの機会を開拓し、顧客基盤の拡大に伴って多様化するお客様のニーズにしっかりと対応できると確信しています。
.conf24では、シスコとの統合でつかんだ大きな勢いを具体的な形で示せただけでなく、アジア太平洋地域のパートナーやお客様の熱意を肌で感じることができました。皆様が抱えている課題を聞き取り、フィードバックを得て、互いに学び、関係を強化し、常に将来を見据えて今後の世界を築くという共通のコミットメントを再確認するすばらしい機会となりました。
このブログはこちらの英語ブログの翻訳、中里 美奈子によるレビューです。
Splunkプラットフォームは、データを行動へとつなげる際に立ちはだかる障壁を取り除いて、オブザーバビリティチーム、IT運用チーム、セキュリティチームの能力を引き出し、組織のセキュリティ、レジリエンス(回復力)、イノベーションを強化します。
Splunkは、2003年に設立され、世界の21の地域で事業を展開し、7,500人以上の従業員が働くグローバル企業です。取得した特許数は1,020を超え、あらゆる環境間でデータを共有できるオープンで拡張性の高いプラットフォームを提供しています。Splunkプラットフォームを使用すれば、組織内のすべてのサービス間通信やビジネスプロセスをエンドツーエンドで可視化し、コンテキストに基づいて状況を把握できます。Splunkなら、強力なデータ基盤の構築が可能です。