あらゆる企業が、適切に設計されたネットワークアーキテクチャを必要としています。ネットワークアーキテクチャは、ITインフラストラクチャを適切に構成/管理し、デバイスやアプリケーション間でデータを安全かつ効率的に転送するために不可欠な要素です。
ネットワークアーキテクチャは階層構造になっており、通信タスクを細かく分割します。これにより、各階層が特定の機能の実行に集中できるようになり、機能を複雑に組み合わせる必要がなくなります。
このブログ記事では次の内容を取り上げます。
ネットワークアーキテクチャは、コンピューターネットワークの設計と構造を意味する言葉で、ハードウェアコンポーネント、ソフトウェアコンポーネント、プロトコル、および通信技術が含まれます。
小規模なローカルエリアネットワーク(LAN)でも大規模なワイドエリアネットワーク(WAN)でも、インフラストラクチャを安全に構築するにはネットワークアーキテクチャが欠かせません。適切なネットワークアーキテクチャでは、データ通信やリソース共有を実現するために、ネットワークの各要素の構成、それら各要素のやり取りが定義されます。
ネットワークアーキテクチャの主なコンポーネントは次のとおりです。
ネットワークアーキテクチャではこれらの共通のコンポーネントが利用されますが、組織が実装できるネットワークアーキテクチャのタイプは、組織独自の要件や運用規模によって異なる可能性があります。
組織の規模や合計ユーザー数などの関連するニーズに応じて、選択すべきネットワークアーキテクチャのタイプは異なります。
最も一般的なタイプのネットワークアーキテクチャについて学び、どのアーキテクチャが自社に適しているのかを確認しましょう。
ピアツーピアネットワークはセットアップが簡単なネットワークで、各ピアまたはノードがクライアントおよびサーバーとして機能します。どのピアも、リソースやデータを他のピアと直接共有できます。また、ユーザーは自分のデータやリソースにアクセスできるユーザーを制御できます。このタイプのネットワークは、次のような小規模な用途に最適です。
ピアツーピアネットワークを構築する方法は、一般的に次の2つです。
ピアツーピアネットワークは拡張性とレジリエンスに優れていますが、セキュリティリスクやデータ損失を回避できるわけではありません。
クライアント/サーバーアーキテクチャでは、クライアントとサーバーの両者の役割が異なります。サーバーはクライアントの要求を受信して処理し、ターゲットに配信します。また、次のタスクを実行します。
クライアント/サーバーアーキテクチャは、効率的なファイル共有、データベース管理、電子メール、およびWebホスティングをサポートします。
ハイブリッドネットワークアーキテクチャは、ピアツーピアネットワークアーキテクチャとクライアント/サーバーネットワークアーキテクチャの両方の要素を組み合わせたものです。このネットワークでは、デバイスをクライアントとしてもサーバーとしても機能させることができます。最近では、ほぼすべての物理的な製品にセンサーが取り付けられていますが、それらの製品のネットワークであるIoTは、ハイブリッドネットワークアーキテクチャに基づいて構築されています。
クラウドコンピューティングアーキテクチャは、ユーザーがオンデマンドでリソースやサービスにアクセスできるプラットフォームを設計します。このアーキテクチャは、主に次の2つの要素で構成されています。
ネットワークアーキテクチャの設計は、効率的で安全なコンピューターネットワークを構築し、維持するための中核的な要素です。ここでは、アーキテクチャ設計に関する理解を深めるために、2つの設計方法をご紹介します。
2層アーキテクチャ設計は、アクセス層とディストリビューション層の2つの階層で構成されます。この設計で重要なコンポーネントは次のとおりです。
このアーキテクチャ設計は、費用対効果が高く、管理が容易です。ただし、拡張することが困難であり、緊急に対処すべきセキュリティ上の問題が生じる可能性があります。
また、ゲートウェイのファイアウォールを除き、セキュリティプロトコルが内部に存在しません。そのため、セキュリティ攻撃でファイアウォールを突破されれば、サーバーや個人のノートPCなどのシステムに簡単にアクセスされる可能性があります。
3層ネットワークアーキテクチャでは、ネットワークが3つの層で構成されます。
3層ネットワークアーキテクチャは安全性の向上につながりますが、非常にコストが高く複雑であるため、予算の豊富な大企業でしか利用できません。
(各層についての関連記事:ネットワークのOSIモデル)
安全なネットワークアーキテクチャを構築することで、脆弱性を軽減し、データ損失の可能性を最小限に抑えることができます。ただし、安全なアーキテクチャを設計するには、複数のセキュリティ対策やベストプラクティスを採用して、ネットワークを脅威から保護する必要があります。
ここでは、IT部門が安全なネットワークアーキテクチャを実現するために採用できるベストプラクティスの一部をご紹介します。
ネットワークアーキテクチャは、ネットワーク全体の青写真であり、デバイスとデータの通信方法を示すものです。そのため、クライアント/サーバー、クラウドベース、ハイブリッドなど、ニーズに適したアーキテクチャを選択する必要があります。
組織に適したネットワークアーキテクチャのタイプを決定したら、ネットワークのセグメント化、ファイアウォール、強力な認証など、セキュリティ対策を導入し、運用をシームレスにサポートする堅牢なシステムを構築できます。
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