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Kubernetes Navigator:Kubernetes環境向けのリアルタイム監視とAIドリブン分析の一般提供を開始

Splunkは、Kubernetes Navigatorの一般提供を発表しました。DevOpsチームやSREチームがKubernetes Navigatorを使用すれば、初期設定のまますぐに使える直感的なUIでKubernetes環境全体を移動しながら、コンテナ化されたアプリケーションのパフォーマンスを把握して管理できます。

Kubernetesはリリース以来、5年も経たずに「コンテナオーケストレーションのデファクトスタンダード」(ガートナー社2019年)になりました。Kubernetesを使用して最新のアプリケーションの大規模な構築、テスト、導入、実行を行えば、運用の効率化、マルチクラウド環境でのポータビリティ、コストの最適化などのビジネス上のメリットがあるため、企業にとっては非常に魅力的です。

そのようなメリットがあるとはいえ、実際には多くの企業が、クラウドネイティブへの移行を進めるにつれて課題に直面しています。2020年3月に公開された最新のCNCF調査によれば、複雑さと監視がKubernetes導入における最大の問題となっています。

Kubernetes環境の監視の問題

Kubernetes環境の規模が拡大しアプリケーションの分散化が進むほど、監視は難しくなります。DevOpsチームは以下のような課題に悪戦苦闘しています。

  • Kubernetes環境全体の健全性を多次元で可視化する
  • パフォーマンスの問題をリアルタイムで検出する
  • Kubernetesのコンポーネント(ノード、ポッド、コンテナ、サービス)間の相互依存関係を突き止める
  • パフォーマンスの異常値が発生する理由を理解する
  • 複数のメトリクス、ログ、およびイベントプラットフォーム内を検索する間にコンテキストを切り替え、平均解決時間を短縮する

これらの課題に取り組むSREチームやDevOpsエンジニアリングチームは、結局、自分たちの時間の大部分を費やしてもKubernetes環境のパフォーマンスに関する基本的な課題の解決策を探すことしかできません。複雑さと規模が拡大すれば、それだけ問題の検出と解決に必要な作業も増加します。Kubernetes環境の監視に従来のアプローチを適用してもうまくいかないのです。

企業が必要としているのは、メトリクスと詳細なログを組み合わせた、多次元分析に基づく完全に自動化されたアプローチ、つまり実用的な推奨事項とインサイトを引き出すAIドリブンの分析の活用です。

Kubernetes Navigatorの紹介

SignalFx Infrastructure Monitoringに付属しているKubernetes Navigatorは、すぐに使えるエンタープライズクラスのKubernetes監視ソリューションで、簡単かつ直感的な方法でKubernetes環境のパフォーマンスを把握して管理できます。これは、何百社ものお客様とSplunkとの共同作業から生まれた、あらゆるチームに有用なソリューションです。Kubernetes Navigatorは、世界トップクラスの複雑で大規模なKubernetes環境の監視に耐えうる一方、クラウドネイティブへの移行に着手したばかりのチームでも簡単に使いこなすことができます。Kubernetes Navigatorは、すぐに使えるエンタープライズクラスのKubernetes監視ソリューションで、簡単かつ直感的な方法でKubernetes環境のパフォーマンスを把握して管理できます。

“SignalFxには、弊社のすべてのAWSクラウドサービスのパフォーマンスを監視できるリアルタイムのビューがあります。弊社のアプリケーションの大部分はAmazon EKSに配備されています。SignalFx Kubernetes Navigatorを使えば、Kubernetes環境の複雑さが解消され、Kubernetesクラスターとワークロードの健全性を簡単に管理できます。SignalFxのおかげで、パフォーマンスの問題を特定して修復するスピードが上がりました。また、Kubernetes環境に配備された弊社のアプリケーションのインシデントを回避できたことは言うまでもありません。”

- BidMotion社インフラストラクチャDevOps責任者、Alexandre Bescond

Kubernetes Navigatorを使用すれば、パフォーマンスの問題の検出、トリアージ、解決をかつてないほど迅速に実行できます。DevOpsチームとSREチームは、以下の機能を利用して複雑で大規模なKubernetesの運用を監視できます。

  • 動的なクラスターマップ:直感的な表示で、Kubernetesクラスターの健全性を即座に把握できます
  • ドリルダウン:詳細をドリルダウンしてトラブルシューティングを短時間かつ効果的に行えます
  • コンテキストベースのログ検索:コンテキストログへのディープリンク機能によって詳細なインサイトを取得し、コンテキストの切り替えをなくして根本原因分析の時間を短縮できます
  • Kubernetesアナライザー:AIドリブンの分析でトラブルシューティングを効率良く行えます

動的なクラスターマップ

Kubernetes Navigatorでは最初に全体ビューが表示され、直感的な階層ナビゲーションを使ってKubernetes環境全体のパフォーマンスをすばやく把握できます。たとえば、ノード、ポッド、コンテナレベルで任意のKubernetesエンティティをわずか数秒で選択、フィルタリング、または検索できます。SignalFxではKubernetesのコンポーネントやコンテナ化されたサービスが自動的に検出されるため、スタック全体を簡単に監視できます。動的なKubernetesコンポーネント間の関係を理解すれば、相互依存性のあるパフォーマンスの問題を迅速に解決できます。

ドリルダウン

世界中に分散するKubernetes環境全体を一目で俯瞰できるビューを使用すれば、システム全体のパフォーマンスを把握できます。それと同じくらい重要なのは、個々のコンポーネントのきめ細かい詳細なビューです。このビューによって、ノードからポッド、コンテナ、ワークロードとドリルダウンして、問題の原因を絞り込むことができます。また、ストリーミングアーキテクチャにより、大規模な環境でもサーチやフィルターを使用して数秒以内で詳細な分析を行うことができます。

コンテキストベースのログ検索

複数のログをシームレスに切り替え、アプリケーション、Kubernetes、およびコンテナのログを詳細に可視化し、コンテキストを切り替えずにスタック全体でパフォーマンスの相関付けを行うことができます。また、KubernetesおよびAPIサーバーの監査ログにあるライフサイクルイベントを可視化することで、セキュリティ体制とコンプライアンス体制を簡単に把握して管理できます。

Kubernetes アナライザー

Kubernetes Navigatorでは、パフォーマンスの異常値が発生する「理由」を突き止めるためにAIドリブンの分析を活用します。これにより、Kubernetesクラスター全体(ノード、ポッド、コンテナ、ワークロード)で何が異常値を引き起こしているのかをリアルタイムで正確に理解するためのインサイトと推奨事項が自動的に導き出されます。下の例では、一部のKubernetesノードでメモリー不足の原因となっているパターンをKubernetes Analyzerが自動的に検出しています。このケースでは、メモリー上限の設定されていないコンテナがノードで利用可能なメモリーを使い果たし、Kubernetesでスケジュールされた他のポッドで使えるメモリーがなくなっています。このシナリオは「ノイジーネイバー(うるさい隣人)」問題としてよく知られています。SREチームは、提案されたフィルターに従って問題を絞り込み、根本的な原因を数分で特定できます。 goroutineやコンテナの再起動と急増などのシステムレベルの問題も、過去データに基づくベースラインや突発的な変化を捉える高度なアルゴリズムを使って数秒以内に検知、アラートで通知します。

Kubernetesの監視を完全に自動化

大規模かつ高度なユースケースで企業の信頼を獲得した実績あるソリューションなら、オブザーバビリティに対する投資を将来の成功につなげることができます。SignalFxの無料トライアル版にお申し込みいただければ、helmベースのインストールですぐに使い始めることができ、Amazon EKS、Azure AKS、Google GKE、RedHat OpenShift、自己管理のKubernetesなど、あらゆるKubernetesディストリビューションに設定変更なしで使用できます。SignalFxが実際に動作する様子はウィークリーライブデモでご覧いただけます。

*このブログはこちらの英語ブログの翻訳です。

Amit Sharma
Posted by

Amit Sharma

Amit Sharma is the Director of Product Marketing at Splunk. He has over twelve years of experience in software development, product management, and product marketing. Before joining Splunk, Amit led product marketing at SignalFx, AppDynamics, and Cisco. He did his MSCE from Arizona State University and an MBA from UC Berkeley Haas School of Business.

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