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Splunk RUMセッションリプレイの一般提供を開始

今日のデジタル社会で、シームレスなユーザーエクスペリエンスの提供はもはや「望ましい」ことではなく「必須」の要件です。顧客接点としてWebアプリケーションの存在感が増す中で、エクスペリエンスへの要求はかつてないほど高まっています。

Splunkは本日、Splunk Real User Monitoring (RUM)製品の注目の新機能であるブラウザセッションリプレイの一般提供を開始しました。セッションリプレイを利用すれば、ユーザージャーニーの問題に対する勘頼みのトラブルシューティングから脱却し、MTTR (平均解決時間)を大幅に短縮できます。この革新的な機能を使ってWebサイトでのエンドユーザー操作を再現することにより、効果的にユーザーエクスペリエンスを最適化し、パフォーマンスを向上させることができます。

セッションリプレイにより勘頼みでの問題調査を脱却しMTTRを短縮

ユーザーエクスペリエンスの問題解決は時間との戦いです。勘に頼るのではなく、実際のユーザーセッションを確認することで、トラブルシューティングを迅速に行い、MTTRを大幅に短縮できます。セッションリプレイでは、クリック、スクロール、ナビゲーションなどのすべてのユーザー操作をリアルタイムで記録し、個々のユーザーセッションを再現することで、ユーザージャーニーをかつてないほど高い精度で把握できます。ユーザーの行動が明らかになると、多くの情報を効率的に得られるようになり、Webアプリケーションのパフォーマンスを深く理解し、効果的に改善できます。これにより、ユーザーの満足度とチームの生産性の両方が向上します。

勘頼みでの問題調査の例

長いウォーターフォールグラフの確認に終止符:従来のトラブルシューティング手法では、長いウォーターフォールグラフを確認する必要があり、ユーザーの不満の原因を勘で判断しがちです。セッションリプレイを使えば、ユーザーがセッション中に何を見て、どのような操作をしたかを正確に把握できます。クリック、スクロール、フォーム入力などの操作を再現して、問題の核心にまっすぐにたどり着くことができます。

不完全な再現手順に終止符:セッションリプレイではユーザーセッション全体が記録されるため、エンジニアやサポート担当者は、ユーザーがWebサイトでどのような操作をしたかを包括的に把握できます。正確な情報を得ることで、エンドユーザーの記憶に頼ったあいまいな説明に惑わされることなく、トラブルシューティングを効率的に行い、問題を迅速に解決できます。

ユーザーとの電話のやり取りに終止符:状況を視覚的に理解できるため、ユーザーに電話やビデオ通話で問題の詳細を確認する手間をかけたり、あいまいな説明に混乱したりすることなく、問題をすばやく診断し、解決できます。

Splunk RUMセッションリプレイのメリット

プライバシーバイデザイン:セキュリティとプライバシーはSplunkにとって最優先事項であり、Splunk Observabilityにおいても、機密性の高いユーザーデータの保護が重視されています。Splunk RUMのセッションリプレイには、設計段階からプライバシー対策が組み込まれ、ユーザーのメールアドレスや住所といった個人情報がリプレイとして記録されることはありません。また、テキストの入力や要素はインストルメンテーション(計装)に際して匿名化されるため、リプレイデータがSplunk Observabilityに送られる前に個人情報が保護されます。

RUMウォーターフォールグラフとのシームレスな統合:Splunk RUMの中核機能であるセッションリプレイは、既存のウォーターフォールグラフとシームレスに統合されます。そのため、パフォーマンスメトリクスやエラースパンと照合しながらユーザー操作を分析して、特に重大な問題をすばやく特定し、優先して対応できます。スパンウォーターフォールとリプレイ再生が相関付けられるため、たとえば、JavaScriptエラーが発生したちょうどその時点のエンドユーザーセッションを確認できます。

セッションリプレイの使い方

Webアプリケーションにセッションリプレイを組み込むのは簡単です。Splunk RUMをすでにご利用の場合でも新たに導入する場合でも、Splunk RUMとセッションリプレイのJavaScriptライブラリを追加するだけで、セッションリプレイをすぐに利用できるようになります。詳しい手順については、Splunk RUMセッションリプレイに関するこちらのドキュメントを参照してください。

お客様の責任として、Splunk Observability Cloudは適用法に準拠してご利用ください。たとえば、サービスを利用することでユーザーに関するデータが収集されることを明記し、ユーザーの同意を得る必要があります。その他の規定についてもよくご確認ください。

セッションリプレイの組み込み

WebアプリケーションにセッションリプレイのJavaScriptライブラリを追加した後、Splunk RUMの概要ページを開くと、記録されたセッションが表示されます。例として、ユーザーがeコマースサイトで商品を注文できなかったため、サポートチケットを送信したとしましょう。サイトリライアビリティエンジニアは、Splunk RUMで、サポートチケットを送信したユーザーのセッションIDを入力することで、そのユーザーのセッションをすばやく見つけることができます。

セッションIDの入力画面エンジニアは、セッションの詳細ページで、ユーザージャーニー、ページ読み込みのウォーターフォールグラフ、エラースパンなど、セッションに関する詳細を確認できます。しかし、この情報を解釈する際は勘に頼りがちです。長いウォーターフォールグラフを確認する必要があり、調査に数時間かかることもあります。そこでセッションリプレイを使えば、ボタンをクリックするだけでエンドユーザーのセッションを動画のようにリプレイできます。

セッションの詳細ページセッションのリプレイを確認すると、エンドユーザーが数分以内に注文ボタンをクリックできなかったことがわかりました。ウォーターフォールグラフと照合しながらリプレイを見直すと、影響の重大度とエラーにつながったステップがよくわかります。また、セッションリプレイのプライバシーバイデザインのアプローチにより、個人情報はリプレイで表示されないため、エンジニアが確認前に手動で匿名化する必要はありません。

セッションリプレイのプレビュー画面

サイトリライアビリティエンジニアは、ウォーターフォールグラフで特定のスパンをクリックすることで、リプレイのタイムラインでその正確な位置に移動できます。この例では、ウォーターフォールグラフでフォントAPIが読み込まれた時点のユーザーエクスペリエンスを確認しています。このスパンとリプレイの相関付けは、エンジニアによるデバッグ作業を強力に支援して、勘に頼ったトラブルシューティングからの脱却とMTTRの大幅な短縮を後押しします。

セッションリプレイのタイムライン画面

Splunk RUMセッションリプレイをぜひお試しください!

トラブルシューティングプロセスに変革をもたらすSplunk RUMセッションリプレイを使って、そのメリットを実際に体験してください。勘に頼った問題調査から脱却し、MTTRを短縮して、ユーザージャーニーをかつてないほど深く理解できます。


ぜひ、Splunk Real User Monitoringの無料トライアル版をお試しになるか、製品ページで詳細をご確認ください。

このブログはこちらの英語ブログの翻訳、中上 健太朗によるレビューです。

Umang Agarwal
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Umang Agarwal

Umang leads the Web RUM product at Splunk, with a goal to help SREs, front-end developers understand and troubleshoot problems in user-facing web apps. Previously, he led Azure Compute offerings at Microsoft.

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