シスコがSplunkを買収した直後から、両社は共同でエンジニアリングチームとIT運用チームのための先進的なオブザーバビリティエクスペリエンスの提供に取り組んでいます。Splunkとシスコの力を合わせることで、導入モデルに関係なく組織のスタック全体を横断する新たなレベルのトラブルシューティングと監視が可能になります。
オブザーバビリティの領域で高い実績を誇る2つの企業が手を組みます。
一方は、ネットワーク、サイバーセキュリティ、ソフトウェア市場の大手、シスコです。AppDynamicsやCisco AIOpsをはじめとするシスコのオブザーバビリティ製品は、ネットワークと従来の3層構造アプリケーションを非常に優れたレベルで可視化します。
もう一方は、セキュリティとオブザーバビリティ市場を牽引し、ガートナー®社による2023年アプリケーションパフォーマンス監視およびオブザーバビリティ部門のマジッククアドラント™で「リーダー」に認定されたSplunkです。Splunkは、マイクロサービスの監視からインフラ監視、エンドユーザー監視まで、業界屈指のログ分析製品とクラウドネイティブの優れたオブザーバビリティ製品を提供しています。
この両社が協力して、組織全体を可視化するフルスタックのオブザーバビリティの実現に向けて動き出しています。エンジニアやIT運用担当者は、Splunkとシスコの製品を使用することで、ネットワークからインフラ、モノリシックアプリケーション、マイクロサービス、自社製アプリケーション、サードパーティアプリケーションまで、あらゆる環境のあらゆるスタックを包括的に可視化できるようになります。さらに、ビジネスに影響を及ぼす問題を早期に検出して調査するための強力なリアルタイム分析も利用できます。
両社の技術を組み合わせることで、データの共有とワークフローの統合を促進して運用を効率化し、オンプレミスかクラウドネイティブかを問わずテクノロジースタック全体の信頼性を確保し、組織のオブザーバビリティジャーニーをサポートできます。IT運用チームとエンジニアリングチームは、デジタル環境全体の状況を正確に把握し、オブザーバビリティプラクティスを1つのソリューションで標準化できます。
シスコとSplunkはそれぞれ独自の強力な機能とソリューションを展開しています。それらを統合すれば、さらなる可能性が開けるはずです。そこで両社の共同チームは現在、エンジニアやIT運用担当者が両社の製品を効果的に活用して、導入モデルに関係なく環境全体をフルスタックで可視化できるようにするための新しい方法を構築しています。
まずは、Splunk Log Observer Connect機能と似た仕組みで、SplunkプラットフォームのログをCisco AppDynamicsに統合して、オンプレミスとハイブリッドの壁を越えてコンテキストを提供し、トラブルシューティングを迅速化することを目指しています。IT運用チームは、SplunkとCisco AppDynamicsの能力を活用しながら、ログを集約し、コンテキストに即して分析することで、調査にかかる時間を短縮できます。
また、Splunk IT Service Intelligence (ITSI)でAppDynamicsのデータを活用して、アラートのノイズを削減するとともに、オンプレミス、ハイブリッド、クラウドアプリケーションをビジネスKPIと関連付けながらエンドツーエンドで可視化する計画もあります。これにより、AppDynamicsとITSI間でイベントを統合し、AppDynamicsで収集されたアプリケーションパフォーマンスメトリクスやビジネスメトリクスをITSIに取り込むことで、ハイブリッドアプリケーションやクラウドアプリケーションのトラブルシューティングを迅速化できます。さらに将来的には、エンジニアやネットワーク担当者が、Cisco AIOpsのネットワークデバイスやインフラのデータをSplunk ITSIに取り込んで、より正確なコンテキストに基づいてネットワークのトラブルシューティングを行えるようにしたいと考えています。
両社のソリューションを統合する場合、ユーザーにとって懸念されるのは、相互運用性とワークフローの効率の低下でしょう。Splunkはその点にもしっかり対処しています。
Splunk Observability Cloudでは、Cisco AppDynamicsの設計に合わせて改良された新たなインターフェイスが導入されます。まもなく、一貫した操作性で両社のソリューションをシームレスに行き来できる最新のエクスペリエンスが提供されます。また、Cisco AppDynamics、Splunk Cloud Platform、Splunk Observability Cloud間のシングルサインオンを実現して、ログインの手間を軽減することも計画しています。
将来的には、SplunkとAppDynamicsで、両ソリューション間のコンテキストに即したディープリンクを使い、予測とコンテキストに基づいてテクノロジースタック全体の問題をトラブルシューティングできるようにする予定です。
クラウドとアプリケーションのモダナイゼーションのどの段階にあってもオブザーバビリティを実現し、そのメリットを組織全体にもたらす魅力的な新機能をまもなく提供します。しかもそれはほんの始まりにすぎません。今後の両社の取り組みにご期待ください!
#splunkconf24のハッシュタグが付いたツイートをぜひご確認ください。
このブログはこちらの英語ブログの翻訳、松本 浩彰によるレビューです。
Splunkプラットフォームは、データを行動へとつなげる際に立ちはだかる障壁を取り除いて、オブザーバビリティチーム、IT運用チーム、セキュリティチームの能力を引き出し、組織のセキュリティ、レジリエンス(回復力)、イノベーションを強化します。
Splunkは、2003年に設立され、世界の21の地域で事業を展開し、7,500人以上の従業員が働くグローバル企業です。取得した特許数は1,020を超え、あらゆる環境間でデータを共有できるオープンで拡張性の高いプラットフォームを提供しています。Splunkプラットフォームを使用すれば、組織内のすべてのサービス間通信やビジネスプロセスをエンドツーエンドで可視化し、コンテキストに基づいて状況を把握できます。Splunkなら、強力なデータ基盤の構築が可能です。