※この資料は米国にて2024年10月22日に発表されたプレスリリースの抄訳です。
サイバーセキュリティ/オブザーバビリティのリーダー企業、Splunk LLCは、Enterprise Strategy Group (ESG)との共同調査の結果をまとめた『2024年のオブザーバビリティの現状』レポートを公開しました。このグローバル調査では、IT環境が複雑化し、顧客の期待が高まる今日の状況で、オブザーバビリティがどのような役割を果たしているかを調査しました。その結果、オブザーバビリティへの取り組みが最も進んでいるリーダー的組織は、運用の効率や稼働率などの領域で、投資に対して年間2.6倍の効果を生み出し、オブザーバビリティが今や競争上の差別化要因へと進化していることが明らかになりました。リーダー的組織は、問題解決のスピード、開発者の生産性、コストの抑制、顧客満足度のすべてにおいて秀でています。こうしたメリットにより、全体の86%の組織が、今後オブザーバビリティへの投資を増額する予定だと回答しています。今回の調査では、1,850人のIT運用担当者および開発者を対象としています。今年で4回目となるオブザーバビリティの年次調査レポートは、オブザーバビリティ業界に関する最も包括的な分析レポートです。
オブザーバビリティプラクティスの成熟度
先進的なオブザーバビリティプラクティスは、最初から存在するものではなく、戦略的に作り上げるものです。今回のレポートでは、オブザーバビリティの実践レベルを、「基本的な可視化」、「インサイトの活用」、「プロアクティブな対応」、「ワークフローの統合」の4段階に分けた新しい成熟度フレームワークを採用しています。このフレームワークに基づいて、回答者の組織をオブザーバビリティ成熟度の4つの段階のいずれかに分類しました。その内訳は、成熟度が低い順に「ビギナー」組織が45%、「成熟度が中程度」の組織が27%、「成熟度が高い」組織が17%、「リーダー」的組織が11%という結果になりました。
リーダー的組織は問題をすばやく解決してダウンタイムの影響を軽減
先進的なオブザーバビリティプラクティスを導入すれば、デジタル環境全体の状況を把握し、ダウンタイムの影響を軽減できます。「アプリケーションの障害発生から数分または数秒以内に問題を特定できる」と回答したリーダー的組織は68%で、そのスピードはビギナー組織の2.8倍にのぼります。また、リーダー的組織が推定するアラートの真陽性率は平均で80%以上にのぼり、ビギナー組織の54%を大きく上回りました。アラートの精度が高ければ、確信を持って対応を進めることができ、誤検知の対応に時間を無駄にすることもなくなります。常にシームレスでセキュリティの高いデジタルエクスペリエンスが期待されるなか、問題の検出精度と対応スピードは大きな差を生みます。別の調査では、ダウンタイムが発生すると顧客ロイヤルティが低下し、一般的な企業イメージが低下することがわかっています。
リーダー的組織のスピードの優位性は、ソフトウェア開発の速度にも及んでいます。リーダー的組織の76%がアプリケーションコードの大半をオンデマンドでプッシュしており、ビギナー組織の30%を大幅に上回りました。また、開発者がイノベーションに費やす時間の割合は、リーダー的組織がビギナー組織より38%上回っています。つまり、リーダー的組織の開発者は、トラブルシューティングやインシデントのトリアージなど、手間のかかる作業に費やす時間が少ないということです。リーダー的組織では、開発者の生産性の向上が成果収益を押し上げていることは明らかです。
Splunkのオブザーバビリティ担当シニアバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーであるPatrick Linは次のように述べています。「先進的なオブザーバビリティプラクティスを構築するということは、顧客に優れたデジタルエクスペリエンスを提供し、常に顧客目線を取り入れて意思決定を行うということです。今回のレポートでは、このマインドセットが実際に効果を生むことが証明されました。リーダー的組織は、ダウンタイムの削減で大きな成功を収めているだけでなく、開発者のイノベーションの推進とスピードの向上でも大きな成果をあげています」
OpenTelemetryがオブザーバビリティプラクティスの成功基盤に
データ収集のための業界標準であるOpenTelemetryを導入する組織が増えています。Cloud Native Computing Foundation (CNCF)プロジェクトがサポートするこのフレームワークを取り入れれば、データをより主体的に管理し、ベンダーロックインを回避できます。レポートでは、OpenTelemetryが効果的なオブザーバビリティプラクティスの基盤であることが強調されています。実際、58%の組織が、使用しているオブザーバビリティソリューションでOpenTelemetryが使われていると回答しています。
AIが運用を効率化する
オブザーバビリティツールでのAIと機械学習の活用は当たり前になっています。調査では、ほぼすべての組織(97%)が、オブザーバビリティの運用を強化するためにAIや機械学習を組み込んだシステムを利用しており、その割合は昨年の66%から大幅に増加しました。AIと機械学習を利用することで、大量のデータを分析および処理して異常を検出し、根本原因を特定できます。また解決策を提案、タスクを自動化し、必要なインサイトをすばやく取得できます。
プラットフォームエンジニアリングがDevOpsの新たな未来を切り開く
プラットフォームエンジニアリングは開発者の生産性を向上させており、回答した組織の73%がこれを広範囲に取り入れています。プラットフォームエンジニアリングは基本的に、ソフトウェアエンジニアのツールチェーンとワークフローを標準化し、セルフサービス型のプラットフォームを構築するためのアプローチです。これによってエンジニアは、ツールの管理に費やす時間を減らして、新たな製品の市場投入に集中することができます。この流れは、業務の範囲が拡大し続けるIT運用チームやエンジニアリングチームにとって朗報です。調査では66%が、「過去1年間でチームの重要なメンバーが燃え尽き症候群により離職した」と回答しています。
『2024年のオブザーバビリティの現状』レポートで紹介しているインサイトについて詳しくは、こちらのWebサイト またはこちらのブログ記事 をご覧ください。
調査方法
このグローバル調査は、2024年5月から6月にかけて、Enterprise Strategy Groupと共同で行われました。従業員数500人以上の組織を対象に、組織のオブザーバビリティの実践状況に詳しいIT運用の現場担当者、マネージャー、経営幹部、および開発者、エンジニア、アーキテクト、SREの合計1,850人にアンケートを実施しました。対象となった国は、オーストラリア、フランス、ドイツ、イタリア、インド、日本、ニュージーランド、シンガポール、英国、米国の10カ国です。対象となった業界は、航空宇宙・防衛、ビジネスサービス、消費財、教育、金融サービス、政府機関、ヘルスケア、ライフサイエンス、製造、テクノロジー、メディア、石油・ガス、リテール(小売り)・卸売り、通信、運輸・輸送・物流、公益事業の16種類です。
シスコの一員であるSplunkが目指すのは、より安全でレジリエントなデジタル世界を作ることです。Splunkのソリューションを導入すれば、セキュリティ、インフラ、アプリケーションの問題が大規模なインシデントに発展する前に防止して、影響を最小限に抑え、デジタルトランスフォーメーションを加速できるため、Splunkは多くの組織から信頼されています。
© 2024 Splunk LLC 無断複写・転載を禁じます。SplunkおよびSplunk>は、米国およびその他の国におけるSplunk LLCの商標または登録商標です。他のすべてのブランド名、製品名、もしくは商標は、それぞれの所有者に帰属します。
本件に関するお問い合わせ先
Splunk広報事務局 (共同ピーアール内) |