先進組織がどのように今日のセキュリティの課題に対処し、レジリエンス(耐障害性および回復力)を構築しているかについて考察します。
自動化は実に効果的です。チームに情報をすばやく提供できるようになったことで、問題を早期に解決できるようになり、ビジネスのレジリエンスが向上しました
ManpowerGroup社のグローバルで複雑な組織構造がセキュリティリスクを生み、日常業務での手動作業の多さがミッションクリティカルな業務に費やす時間を奪っていました。
Splunkの導入によって、より的確な意思決定を支援するデータにすばやくアクセスできるようになり、レジリエンスが向上して、世界中のアソシエイトに最適な雇用機会を提供することに注力できるようになりました。
ManpowerGroup社は、人々のキャリア開発をサポートする人材サービス企業です。毎日60万人以上のアソシエイトが同社を通じて働いています。それだけの人々が安定した有意義な職に就くことの波及効果を考えると、社会への貢献の大きさは計り知れません。働くことを通じて人々の人生を豊かにするという目標をミッションと日々の業務の中心に据えて、世界の70以上の国や地域で現地に溶け込みながら組織と働く人々をつないでいます。
ManpowerGroup社は、マトリクス体制下で複数のブランドとオフィスを抱え、世界各地で事業を展開しています。同社のCISO (最高情報セキュリティ責任者)であるRandy Herold氏は次のように指摘します。「最大の課題は複雑さです。この複雑さがビジネスに影響を及ぼして、一部の業務に支障を来し、リスクとコストが高まっています」
ミッションを維持し、人中心のビジネスを続けるために、ManpowerGroup社はツールとプロセスの戦略的評価の一環としてSplunkに助力を求めました。その結果、このパートナーシップが、より安全でレジリエントな未来への転換を促進し、クライアント、アソシエイト、そして自社にとって「Doing Well by Doing Good (良い行いをして成功する)」の理念を実現するために有意義なものであることがわかりました。
ManpowerGroup社は、世界中のクライアントにより良いサービスを提供することに積極的に取り組んでいます。しかし、組織が成長するにつれてインフラが複雑化し、重要なセキュリティデータやインフラデータを適切なステークホルダーに提供するまでに1カ月以上かかることもありました。同社のグローバルインフォメーションテクノロジー担当ディレクターであるMike Friedel氏は次のように話しています。「大量のスプレッドシートと数式の中に埋もれていました。これは慢性的な問題でした。今日のセキュリティの重要さを考えれば、そんなに待てません。報告に30日は長すぎます」
そこで、ミッションクリティカルな業務に費やす時間を奪いビジネスリスクを生んでいた冗長なタスクをSplunk Cloud Platformによって自動化しました。Friedel氏はこう評価しています。「自動化は実に効果的です。チームに情報をすばやく提供できるようになったことで、問題を早期に解決できるようになり、ビジネスのレジリエンスが向上しました」
すべてのチケット情報をSplunkに集約することで、SOCの業務をリアルタイムで包括的に可視化できるようにもなりました。以前は、チケット情報を収集してまとめ、経営幹部や取締役に状況を報告するのに60時間以上かかっていました。同社のCISOのRandy Herold氏は、「Splunk Cloud Platformでチームごとに情報セキュリティダッシュボードを作成しました。必要な情報がチームによって異なるためです。監査チームにとってはポリシーの準拠状況が重要であり、IT運用チームが知りたいのはパッチの適用状況です」と説明しています。これにより、すべてのチームが必要なデータにアクセスし、カスタマーエクスペリエンスに影響する可能性のある問題をすばやく特定して対応できるようになりました。Friedel氏も「今日ではSplunkを通じてチーム間で共通の認識を築いています」と話しています。
人材サービス業では、社会保障番号、最終学歴、銀行口座番号など、機密性の高い個人情報を大量に扱います。ManpowerGroup社では、ライフサイクル全体でこれらの情報を適切に保護するためにもSplunkを活用しています。
Splunk Cloud Platformに運用とセキュリティの維持を任せてチームの負担を軽減することで、問題の兆候を検出したときに、チームの業務、さらにはアソシエイトに影響を及ぼす前に対処できるようになりました。「Splunkでデータを包括的に可視化して、データがどこでどのように処理されているかを把握しています」とHerold氏は断言します。
情報セキュリティダッシュボードを整備したことで、全体的なセキュリティ態勢も強化されました。「たとえば、フィッシング攻撃を受けたときに対応に30日や60日もかかっていては意味がありません」とHerold氏は指摘します。セキュリティチームは、ダッシュボードを確認することで、自社のビジネスのあらゆる面に配慮しながら最適な意思決定ができます。「Splunk Cloud PlatformはManpowerGroupの信頼できる基盤です。ただ使うだけでなく、日常業務の改善、環境の複雑さの解消、的確な意思決定にも役立てています」
Splunk Cloud PlatformはManpowerGroupの信頼できる基盤です。ただ使うだけでなく、日常業務の改善、環境の複雑さの解消、的確な意思決定にも役立てています
グローバル組織では、問題や脅威に直面することは避けられません。Herold氏は次のように話しています。「毎日どこかの拠点で何らかの問題が起きていますが、何よりも重要なのは、どのような問題にも対処できるという自信を持つこと、アソシエイトが就職し、収入を得て、幸せで安定した生活を送れるようにするための支援に集中できることです」
ManpowerGroup社のチームは現在、Splunk Cloud Platformを使ってインシデントを未然に検出しています。これにより、ネットワークの問題に悩まされることなく、インターネット経由で履歴書を安全にダウンロードできるようになり、面接を実施するまでのプロセスも円滑になりました。「さらに、ManpowerGroupと雇用契約を結ぶとフロントオフィスシステムに登録され、後で郵送または振り込みで給与が速やかに支払われます」とHerold氏は説明します。「これこそがManpowerGroupにとってのレジリエンスです。これこそが私たちが目指す仕組みです」