当社ではSplunkを使用して数百万ものお客様の旅行体験を飛躍的に向上させています。
ドバイ空港は世界で最も利用者の多い空港です。物理的な拡張スペースがないため、ターミナルスペースやインフラ、滑走路を追加することなく空港容量を増やす必要がありました。
センサーデータを活用することで、空港のキャパシティを拡大するとともに、保安検査の待ち時間を5分以下に短縮し、荷物の量を予測して効率化を図るなど、旅行者のエクスペリエンスを向上することができました。
そしてその数は今も増え続けています。2020年までにドバイ空港の利用者数は年間1億人に達する見込みです。しかし、物理的な面積を拡張する余裕はなく、インフラや滑走路を追加せずにキャパシティを拡大しなければなりません。テクノロジーおよびインフラ担当エグゼクティブバイスプレジデントであるMichael Ibbitson氏は、「唯一の解決策は、テクノロジーによって顧客中心のプロセスを構築し、Splunkのようなプラットフォームとデータを活用してリアルタイムのインサイトを得ることで、空港全体の効率を向上させることです」と説明します。
そこでIbbitson氏は、待ち行列やセキュリティプロセスを測定するための3Dカメラ、金属探知機、手荷物システム、X線検査装置など、あらゆる場所にセンサーを設置しました。また、Splunkプラットフォームを使って、これらのデータすべてを監視する空港オペレーションセンターを構築しました。
ドバイ空港では、乗客の95%のセキュリティ検査を5分以内に終わらせることを毎日の目標にしています。金属探知機のゲートを監視することにより、金属が身体のどの部分で見つかりやすいかを把握できます。たとえば冬に寒冷地に向かう乗客は防寒靴を履いていることが多く、これがアラームの原因になる場合があります。こうしたインサイトに基づいて、検査待ちの乗客に向けた画面のメッセージを変更し、靴を脱ぐように促したりすることで、スタッフをより効果的に配置できます。また、これらのインサイトを警察やセキュリティチームと共有して、長期的なサービスとセキュリティの向上にも役立てています。
(キャパシティを拡大するための)唯一の解決策は、テクノロジーによって顧客中心のプロセスを構築し、Splunkのようなプラットフォームとデータを活用してリアルタイムのインサイトを得ることで、空港全体の効率を向上させることです
ドバイ空港では、世界最速の空港Wi-Fiを提供することを目指しています。これによって乗客は空港に到着したらすぐにWi-Fiに接続して、フライトを待つ間にスポーツの生中継、テレビ番組、映画をストリーミングで視聴できるようになります。乗客がどこからでも200 MBのインターネット接続サービスを無料で利用できるようにするために、Splunkのテクノロジーですべてのアクセスポイントをリアルタイムで監視しています。一度に最大で2万人が接続するため、混雑しているエリアをSplunkで検知すると同時に、乗客向けサービスの品質に悪影響を及ぼす不正なWi-Fiホットスポットを検出し、空港内からそのホットスポットへのアクセスを遮断しています。
ドバイ空港の手荷物システムは世界最大級で、その全長は150 kmに及び、年間に処理する手荷物数は1億5,000万個を超えます。1個の荷物から200以上のデータポイントが生成され、そのすべてがSplunkで監視されて、目的地に到着したことが確認されます。手荷物タグが印刷されると、そのデータが空港の運用データと組み合わされ、以後4時間の荷物の量が予測されます。空港の担当者は、この予測量に応じて適切な数の荷物引き取りターンテーブルを起動し、適切な人数のスタッフを割り当てます。「Splunkの機械学習を活用してこのアプローチをさらに進化させ、最終的には12時間さらには24時間後の荷物量を予測したいと考えています」とIbbitson氏は言います。
ドバイ空港では、出発ロビーのトイレにセンサーを設置して、トイレが清潔に保たれ手入れが行き届いていることを確認しています。センサーによってどのトイレが最も混雑し、どの個室と洗面台が最も使用されているかを正確に把握して、清掃スタッフやメンテナンススタッフを効率的に割り当てています。各蛇口の使用頻度を確認することもでき、使用頻度が低下した場合は洗面台が汚れている可能性があると判断できます。また、個室の数に対して洗面台が少なすぎると考えられる場合は、その情報を将来のトイレの設計に役立てることができます。「この最先端のトイレ設備は、空港の衛生状態を改善し、病気の蔓延を減らして、全体としてカスタマーエクスペリエンスを向上させています」とIbbitson氏は言います。