ログ収集せずとも調べる時点でSplunk内にログが格納されていますし、SPLと呼ばれる強力なサーチコマンドを利用すれば必要な情報にすぐたどり着くことができます。
概要
ソフトバンクグループにおける決済や金融に関する中核企業として、決済代行をはじめとした金融サービスを手掛けているSBペイメントサービス株式会社。EC運営事業者向けにクレジットカード決済やキャリア決済といった様々な決済手段を提供するオンライン決済代行事業をはじめ、ソフトバング携帯ユーザー向けの通話料合算請求に関する開発・運営、カード加盟店審査や端末決済サービスの提供といったカード加盟店業務、カード発行業務などを行っています。なかでも中核事業であるオンライン決済サービスは、40を超える決済手段を用意しており、コンビニ支払いやプリペイドカード、口座振替、ポイント支払などにも対応可能です。2017年実績で取扱高が2兆5334億円、2018年度10月実績で100,474店舗の導入実績を誇る、業界屈指の決済サービスを提供しています。
そんな同社においてシステムの運用支援・改善を行っているシステム本部システム運用統括部運用課では、運用の課題解決をはじめ、日々の業務改善やシステム開発の支援を行うなどシステムに関連した様々な業務に従事していますが、事業が拡大するなかで運用管理するサーバーの数も急増することに。そこで、ログ収集・分析の早期化やシステムリソースの可視化によって障害対応や問い合わせ対応を円滑に行うべくSplunk Enterpriseを導入。その後、専門家でなくてもシステムステータスが可視化できるようSplunk IT Service Intelligenceを導入し、アプリケーションやDBとの相関関係も含めたシステムの健全性が一目で分かるような仕組みを構築しています。ダッシュボード画面からドリルダウンするだけで該当箇所の詳細情報がすぐに把握できるなど、運用管理の効率化にSplunkが貢献しています。
同社では、各種決済機関が持つシステムとEC運営事業者をはじめとした加盟店を連携させるための仕組みを運用しており、加盟店側に提供するフロントのアプリケーションサーバーや各種DBサーバーを数多く運用しています。それらサーバー群の運用を行っている担当者は、加盟店からの問い合わせ対応や障害切り分けが発生した場合、それぞれのサーバーがログを抽出し、複数のログを相関的に見ながら調査していく必要があります。「事業の拡大に伴って管理するシステム規模が大きくなるなか、ログを収集して必要な情報を抽出するだけでも多くの工数が必要です。原因を特定して回答するまでの時間を効率的に行うためにも、ログが効率的に分析できるツールが求められていたのです」と運用課鈴木彰氏は当時の課題について振り返ります。
社内においては、業務の効率化も含めた新たな技術的アプローチを実践する役割を担っているため、ログ分析のソリューションとして日本では実績のなかったSplunk Enterpriseを2010年にいち早く導入、顧客対応の迅速化に取り組んだ経緯があります。「我々が重視しているのは、その仕組みがデファクトスタンダードであることです。しかも、日本での実績よりも世界的に標準的な仕組みかどうか。その点、Splunk Enterpriseはその時点でも高く評価できたのです」と鈴木氏は選定のポイントを語ります。「ログ収集せずとも調べる時点でSplunk内にログが格納されていますし、SPLと呼ばれる強力なサーチコマンドを利用すれば必要な情報にすぐたどり着くことができます。依頼対応だけで1日かかっていたことが、すぐに解決できるようになりました」とその効果を鈴木氏は実感します。